中国人が日本滞在時に驚くことの一つに、子どもを一人で登下校している様子がある。というのも、中国では子どもの学校への送り迎えは当たり前で、登下校時には親の送迎のために道が混雑し、人がごった返すことも少なくない。
そのような様子を見慣れている多くの中国人にとって、子どもが一人で校門を出て、家へ向かって帰っていく姿に驚くことが多いようだ。では、いったいなぜ日本では子供を一人で学校に行かせるのか。中国メディア犀利社評哥がその理由を説明している。

 まず一つ目の理由は、日本の教育は子供の自主独立を重んじているから、というもの。子どもを一人で学校へ行かせることで、自立を促すことにもなると考えていると述べている。

 さらに、二つ目の理由は、実際には大人たちが登下校時に見守りを行っており、さらに高学年の子供たちが低学年の子どもたちを助けていることからと説明している。このようにすることで、子どもたちの間に助け合いの精神が生まれているため、親の介入がそれほど必要でない、とも述べている。

 さらに別の側面として、日本の交通事情では「歩行者が優先」であり、車も路上に子どもを見れば速度を落とし、横断歩道では必ず子どもたちを先に行かせるなどして安全に気を配っているため、それほど心配する必要がないとも述べている。加えて、多くの家庭は学校までの距離がだいたい徒歩20分くらいになっており、子どもが自分で歩いていけるほどの便利な距離になっているのも要因の一つと述べた。

 こうした状況に対して、ネットのコメントでは「中国は子ども誘拐が怖いから一人では行かせられないんだ」、「中国でも70年代、80年代は子どもは自分で学校に行っていた」、「中国と日本と社会の環境が違うからからしかたがない」などといった意見が見られた。

 記事は、子どもを甘やかしがちな教育について警笛を鳴らすものになっており、子どもを保護しすぎる今の中国の状況について「子供をいつまでも温室に置いておいてはいけない。子供は親の庇護の下では自然には成長できない」と結んでいる。


 こうした記事からも、競争の激しい学校教育の中で、子ども自立させながら健全に育てていきたい、と願う親たちの気持ちが垣間見える。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)


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