ネスレ日本が2024年から取り組んできた、貨物鉄道輸送を活用する3カ年計画では最後のルートとなる。
既存の取り組みと合わせ、10トントラック換算で年間約7500台分のトラック輸送の削減につながる。年間の二酸化炭素排出量は約1300トン削減できる見込み。
左から日本貨物鉄道株式会社の福岡大輔氏、ネスレ日本の伊澤雄太氏、坂口治夫氏 4月21日、取材会に登壇した同社の伊澤雄太サプライ・チェーン・マネジメント本部物流部部長兼プロジェクトマネージャーは「ドライバー不足は経営課題となっており、貨物鉄道輸送の活用はサプライチェーンにおいて重要な柱だった」と語る。
新たな輸送ルートは、繁忙期(4~8月)と通常期(9~3月)で異なる。
繁忙期はネスレ日本・霞ヶ浦工場(茨城県稲敷市)から土浦貨物駅(茨城県土浦市)にトラックで商品を輸送し、東青森駅(青森県青森市)までの約680kmを鉄道で輸送。その後、新たに確保した青森の物流拠点から県内の納品先にトラックで輸送する。
通常期は、同様に土浦貨物駅から仙台貨物ターミナル駅(宮城県仙台市)までの約330kmを鉄道で輸送。その後、仙台の物流拠点から東北地方の納品先にトラックで輸送する。
貨物鉄道輸送の利用は、ドライバー不足への対応を第一に、環境対応、安定的な長距離輸送を目的としている。
同社は2024年2月に島田工場(静岡県島田市)から関西方面への貨物鉄道輸送を開始し、25年3月には島田工場から中国・四国方面への輸送ルートを構築した。
「工場が多いことでトラックの集車が難しく、今後もリスクが高まると予測できた静岡県から開始した。東北、特に青森県もドライバー不足で、商品を安定的に届けるのが毎年困難になっている」と説明する。
「ネスカフェ ボトルコーヒー」を貨物鉄道輸送の対象とした理由について、坂口治夫サプライ・チェーン・マネジメント本部物流部ロジスティクスプロジェクトリードは「重量が重く、物量も年々増加しておりかなりのトラック台数が必要になることから、最初にモーダルシフトを進めることとなった」と述べる。
JR貨物グループは安定的な輸送力の確保や、商品を積んだコンテナを運ぶ車両の手配などで協力。
日本貨物鉄道株式会社の福岡大輔鉄道ロジスティクス本部営業部流通・機械産業グループサブリーダーは「800kmや1000kmといった長距離帯だけでなく、中距離帯でネスレ日本さまにご利用いただけたことで大きなチャンスを感じた。短い距離でもモーダルシフトやラウンド輸送を検討される機会が増えている」と期待を寄せる。
伊澤氏は「2024年に開始した貨物鉄道輸送の3カ年計画は今回の新ルートで一旦終了となるが、JR貨物グループさまとの取り組みは続けていく」と述べ、今後は「ネスカフェ ボトルコーヒー」以外の商品や姫路工場(兵庫県姫路市)からの輸送でも貨物鉄道の利用拡大を検討している。
ネスレ日本は今後もドライバー不足は加速するとの推測の下、トラック、鉄道、船舶の輸送手段の「ベストミックス」を目指す。
「短距離・中距離の輸送はどうしてもトラックの比率が変えられないが、逆にそこにトラックでの輸送を集中する。一方で長距離輸送は鉄道や船舶への切り替えを考えている。他社さまとの共同輸送によって、トラックの有効活用も目指していく」と語る。
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