チリ豚肉業界の幹部らがこのほど来日し、5月18日に都内で関係者向けのセミナーを実施。チリ産豚肉の対日輸出拡大に向けてアピールした。


 この日行われた会見で、チリ豚肉輸出協会(チリカルネ)のホアン・カルロス・ドミンゲス会長は「日本に豚肉の輸出を開始して26年になる。この間にパートナーの皆さまと力強い関係性を構築してきた。日本は非常に重要なマーケットであり、毎年パートナーと最新の状況やアイデアについて意見交換している」と説明。

 このところ欧州の豚肉生産国でアフリカ豚熱の感染が拡大している状況に関して「チリはその影響を受けていない。チリ産豚肉の6割は輸出されており、抗生物質を使わず持続可能なアプローチでの輸出を心掛けている。われわれは信頼に足るパートナーであるということをお伝えしたい」と強調した。

 また大手豚肉サプライヤーのアグロスーパー社でアジア・ディレクターを務める高宮アンドレアス氏は、昨年にアフリカ豚熱の影響で日本への輸出が停止したスペイン産豚肉の代替としての可能性を問われ「スペインは巨大な生産国であり、それにチリは及ばない。規模を賄うという意味で、中核となるのはブラジルだろう」との見方を表明。

 そのうえで「チリが果たせるのは、特定の領域におけるニーズを満たすこと。特別なカットや特定の仕様など、私たちが取り扱っている製品はスペイン産と比較してより複雑な要件を満たせる」とアピールした。

 中東情勢の影響について、マックスアグロ社のホルヘ・ロサス営業部長は「ほぼすべての国に影響をもたらしているが、ロジスティクスの面では私たちの事業は影響を受けていない。出荷の長期契約を確保しており、直接的な輸出チャネルを確保しているためだ」と説明した。


 グローバル・アグリトレンズ社のスチュアート・ブレットCEOは「日本の市場には変革が生じつつある。利便性や付加価値が高く、なおかつ価格にセンシティブな消費者を意識した商品が増えてきた」との見方を示した。

 さらに「チリポークは日本での差別化の機会を模索しており、市場にその価値を示すことに取り組んでいる。ブラジルや欧州、米国など他国からの輸入豚肉に対しても、うまく差別化を図れていると考えている」と述べた。

 昨年、チリでは59万tの豚肉が生産され、このうち32万8千tが輸出された。主要市場であるアジアのなかでも、日本は数量ベースで中国に次ぐ2位の座を占める。日本では食肉製品など主に加工用の原材料として使われることが多い。

 家畜の飼料生産から豚肉生産、販売に至るまでの垂直統合型ビジネスが主流の同国豚肉産業では、厳格なバイオセキュリティ対策を統合した近代的な生産システムを導入。輸出を主体とする豚肉の国際競争力強化に力を入れている。

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