全国パン粉工業協同組合連合会の小澤幸市理事長はこのほど開いた記者会見で、イラン問題で包装資材だけでなく品質検査に使用する器具が不足していることに言及。主原料の小麦のほか、燃料や人件費の上昇も続いており、7%程度の値上げが必要との考えを示した。


 小澤理事長が社長を務める富士パン粉工業では、1日に200検体以上をサンプリングし菌数などを計測している。そこで使われるのが、プラスチック製の使い捨てシャーレだ。メーカーによると現在は医療機関に優先的に割り当てられるため、食品製造向けのものが3割程度減っているという。「パッケージのように目につくところばかりではない。石油関連製品の問題は多岐にわたる」(小澤理事長)と指摘する。

 こうした中、政府は4月期の輸入小麦売渡価格を平均2.5%引き上げると発表。今年初めにはイーストなどの副資材も値上げとなった。「最低賃金も3年連続で上昇し、中小企業が中心の当業界に大きな影響を与えている」(同)とした上で、「7%程度の値上げが必要」と強調した。

 小澤氏はかねてから、小麦粉仕入れ値の約4倍が製品価格として妥当との考えを示している。ただ、業界内では高水準と言われる同社でも約3倍にとどまっており、「それでも厳しい」(同)のが現状だ。

家庭用は下げ止まるか

 フライスターの関全男社長は「儲けではなく、未来へのコストとして利益を上げなければならない」と力を込める。業界ではここ数年、主原料の小麦粉に対応した従来の価格設定から、それ以外のコスト増も含めた価格転嫁へと舵を切ってきた。


 関社長は「一定の理解は得られた」としながらも、「まだ足りない」とする。「品質や安全に対する要求水準は高まっており、業界の責任を果たすためにも設備投資が必要。だが現状では難しい」と明かす。製造機械の値段はコロナ前に比べると2~3倍の高値となっている。人件費のほか、金属やコンピュータ部品の高騰に起因するものだ。

 一方、パン粉の家庭内需要について関社長は「インフレになると外食や中食より、家庭で作る方が安くつく。そう考える人たちがこれから増えていく可能性がある。トレンドとして家庭用は減っているが、下げ止まるのではないか」との見方を示している。

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