浦和レッズ時代の先輩、元サッカー日本代表・坪井慶介の人生観「...の画像はこちら >>

連載【果てしない延長戦】第2回

元Jリーガーで、現在は昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活躍する青山隼の新連載「果てしない延長戦」。現役時代の先輩や戦友をはじめ、各界で活躍する方をゲストに招き、「人生の転機」や「次への挑戦」をテーマに熱く語り合う。

ゲストは引き続き、Jリーグ・浦和レッズ時代のチームメイトであり尊敬してやまない先輩、坪井慶介さん。二人の出会いや影響を受けた言葉などについて語った前編につづき、後編では現役引退時の裏話や当時の思い、SHOW-WA現場での再会、今後について語ってくれた。

【引退を決意したとき】

――坪井さんは現在、解説者としても活躍されていますが、現役時代は他の試合をあまり見なかったそうですね。

坪井 はい、引退してから見るようになったんですよ。最初は、解説ができるほど詳しくなかったですね。

青山 そう言いますけど、ひとつひとつの仕事に対する準備がすごいんです。家帰ってからも何試合もチェックしてデータを収集して、Jリーグだけじゃなく欧州サッカーも網羅されていて。ヨーロッパの試合って早朝なんですけど、それも見ていて。常に戦う準備ができているじゃないですけど、努力を怠らず仕事と向き合うスタンスは現役時代から変わりません。

坪井 いい時期も悪い時期も僕はずっと「今できる100%」でやってきたので。人生にはいろんなターニングポイントがありますけど、周りの意見を聞いたとしても最終的には自分で決める。やるやらない、好き嫌いとかをボケッとひとりで考えるんですよ。

自分で決めたんだから言い訳はできないよねって。

――2019年にレノファ山口FCで引退を決意されたときも、そのスタンスだったんでしょうか?

坪井 そうですね。ひとりで部屋にこもって考えて、「うん、やめよう!」と。ただ、ひとつだけ決めていたのは、サッカーの組織(監督やコーチ)には属さないことでした。ちょうど40歳になるときに「サッカーの世界しか知らないのは嫌だな」と思ったんです。引退するって急だったよね?

青山 そうですね。ツボさんが湘南ベルマーレに移籍した頃、僕はすでに引退して芸能界にいたんですよ。柏木陽介や梅崎司と集まってバーベキューしたときに、ツボさんが「俺も辞めたらテレビの世界行ってみようかな。モデルとかできるかな?」みたいに言って、「顔小さいからいけますよ!」ってみんなで言ったのを覚えています(笑)。

坪井 まだ引退考えてないし、めちゃめちゃ冗談で言った話だろ(笑)。

――サッカーだけをやってきて、40歳からの新しい挑戦に怖さはなかったですか?

坪井 もちろん怖かったですよ。ただ僕、小さい頃から転校が多くて、知っている人がいない環境に飛び込むのが当たり前だったんです。

その頃とどこか似ているなと。「この先どうなるのか不安だけど、楽しいことがあるかも」って感情が入り混じる感覚をどこか懐かしく感じたんです。だから、意外と前向きな気持ちが強くて。育った環境のおかげですね。

青山 僕もサッカー以外の世界を知りたいって価値観は同じでした。ツボさんみたいにワールドカップに出場してJ1で優勝して、誰もが憧れる道を歩んで辞めるのが理想でしたけど、28歳の頃、半年間くらい自問自答して自分で区切りをつけたので。シーズンの途中で決断しましたけど、自分で決めて次への覚悟を持てたのがあの頃でした。

浦和レッズ時代の先輩、元サッカー日本代表・坪井慶介の人生観「努力は裏切ることもあるから"努力を裏切らない"」〈後編〉【SHOW-WA青山隼の果てしない延長戦】

【山口の夜、突然の引退報告】

――坪井さんの引退時、青山さんはどう感じていましたか?

青山 「なんで辞めるんですか!? まだバリバリ走れるじゃないですか!」という気持ちもありましたけど、「そうなんですね。お疲れさまでした」と伝えたと思います。僕も自分で決断しましたし、それが選手に対してのリスペクトに値する言葉だと思っていて。実は、ツボさんが引退を公式に発表する直前、山口まで会いに行ったんですよ。

坪井 そう、たまたま来たんですよ! 家族や代理人にだけ「今季で引退します。

まだ他の選手には言わないでください」と伝えたタイミングで青山から突然電話がかかってきて。「ツボさん、今日ちょっと山口行っていいですか?」って来て、うちに泊まるっていう(笑)。

青山 泊まらせていただきました(笑)。ツボさんの性格だと40歳という節目に何かありそうだなとなんとなく予感があったんです。浦和で出会って、湘南にいた頃はバーベキューしに行って、山口は単身赴任で行っていたので絶対1回は行こうと思っていて。仕事で徳島に行った帰りに、今しかないと思って連絡しました。

坪井 ひとりでしょっちゅう行く和食屋に連れて行って、ふたりで飲んだね。

青山 しかもお店を貸し切り状態にしてくれて、店主が日本酒をバンバン出してくれて。その日初めて見たんですよ、ツボさんがベロベロになっているところを。腕を抱えて家の近くまで歩いて、信号待ちのときにポロッと「俺、辞めるから」って言ったんですよ!

坪井 そこでもう辞めるって言ったんだっけ?(笑)。

青山 そうですよ。ベロベロで足元フラフラなのに、「え? 今ここで言うんですか!?」って(笑)。

坪井 いつもタイミングが絶妙なんですよ。青山がレッズから徳島ヴォルティスに移籍したときも、何回か電話がきて相談されたことがあって。ああだこうだ言ってから最後、電話を切るときに「自分で決めろ」と突き放すようなことを言ったのを鮮明に覚えていて。冷たいよな(笑)。

青山 いやいや、ありがたかったです。ただ正直、そう言われたのはあまり覚えていないんですけど(笑)。でも、そこで踏みとどまった結果、そのあと徳島で30試合以上出場させていただいて、J1の昇格に少しでも貢献できたと思います。芸能活動を始めてからも相談していますね。お客さん30人くらいの舞台から見に来てくださって。

坪井 もちろん、行くよ! 青山が自分で決めた道で頑張っている話を聞くと、本当に嬉しいんですよ。

浦和レッズ時代の先輩、元サッカー日本代表・坪井慶介の人生観「努力は裏切ることもあるから"努力を裏切らない"」〈後編〉【SHOW-WA青山隼の果てしない延長戦】

【SHOW-WAとしての挑戦、芸能界での共演へ】

――青山さんは現在、昭和歌謡グループ・SHOW-WAとして活躍されていますが、その姿をどう見ていますか?

坪井 純粋に応援しています。『ぽかぽか』の生歌唱を初めて見たときは、「青山が歌って踊ってる!」って家族で大爆笑しましたけど(笑)。

35歳から未経験の歌やダンスに挑戦して、まだまだ成長していく。俺ももっと頑張らなきゃなって刺激をもらいました。偉そうに説教した頃もあったけど、今は対等になったなと思いますね。

青山 いやいや、まだまだ対等になれないですよ! 2024年の3月30日、SHOW-WAのファン1000人を集めるイベントがあって。その前日、『ぽかぽか』のゲストが小野伸二さんとツボさんだったんです! いつもは屋外での生歌唱だったんですけど、雨が降ってスタジオでのパフォーマンスになって。目の前で『君の王子』を歌うときに「これだ、夢叶った!」と感極まって生放送中に泣いちゃったんですよ(笑)。

坪井 みんなに早いって言われて。MCの澤部さん(ハライチ)にも「泣くの、まだ早い! 明日だろ!」ってツッコまれていたね(笑)。

――縁があるというか、タイミングが本当に絶妙ですね。今後やってみたいことはありますか?

坪井 また一緒に仕事したいですね。その思いはずっと変わらないです。役者としては青山が先輩だけど、ドラマとかCMで共演するとか。

山口の番組のコーナー「つぼさんぽ」で散歩ロケをしているんですけど、旅ロケも行きたいね。

青山 いいですね。では最後に、ツボさんにとって「人生」とはなんですか?

坪井 簡単にいえば挑戦だけど、「自分自身の道づくり」かな。サッカー教室で教えることもあるんですけど、そこで子供たちに言っていることがあるんです。「努力は裏切らないって言葉があるけど、努力は裏切ることもある。だから努力ありきで頑張るんじゃなくて、"努力を裏切らない"ようにしなさい」と。自分のうしろに努力の道を作って、今できることを一生懸命にやる。それが後悔のない人生につながると思っています。

青山 ありがとうございます! 「努力を裏切らない」、勉強になりました。僕の周りには、こういう素晴らしい人がいます!

坪井 いやいや、こちらこそありがとう(笑)。すごい人は山ほどいるので、僕も日々勉強しています!

浦和レッズ時代の先輩、元サッカー日本代表・坪井慶介の人生観「努力は裏切ることもあるから"努力を裏切らない"」〈後編〉【SHOW-WA青山隼の果てしない延長戦】

★果て戦だけの激レアSHOW-WAオフショット★
 

浦和レッズ時代の先輩、元サッカー日本代表・坪井慶介の人生観「努力は裏切ることもあるから"努力を裏切らない"」〈後編〉【SHOW-WA青山隼の果てしない延長戦】

お仕事終わりの一杯。リーダー・寺田真二郎との仲睦まじい2ショット。プライベートでもなかよしのSHOW-WA。アゴに乗せてる風に見えるのがポイントだそう。

●坪井慶介(つぼい けいすけ) 
1979年9月16日生まれ 東京都出身 
◯福岡大学を卒業後、2002年に浦和レッズに入団しプロデビュー。2006年ドイツW杯に出場するなど、日本代表としても活躍。湘南ベルマーレ、レノファ山口FCを経て、2019年に現役引退。現在はサッカー解説やメディア出演、イベント出演など幅広く活動。ラジオ『"漢"坪井慶介のラジオツボイ!』(茅ヶ崎FM、毎週木曜19:00~)レギュラー出演中。
公式X【@tsubo_0916】 
公式Instagram【@keisuke_tsuboi0916】

●青山隼(あおやま じゅん) 
1988年1月3日生まれ 宮城県出身 
◯2006年にプロデビュー。U-20日本代表経験を持ち、Jリーガーとして名古屋グランパス、セレッソ大阪、徳島ヴォルティス、浦和レッズでプレーし、2015年に現役引退。その後は、俳優として舞台やドラマ等に出演。現在は、秋元康プロデュースの昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活動中。ラジオ『SHOW-WA寺田&青山の青春時代を取り戻せ!』(CBC、毎週日曜22:00~)レギュラー出演中。今年10月1日(木)にはSHOW-WAとして初となる日本武道館での公演が決定!
公式X【@jun_aoyama1988】 
公式Instagram【@jun_aoyama_show-wa】

取材・文/釣本知子 撮影/上村透生

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