レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、平成の象徴的アイテムとして定番なのが1998年に発売されたAppleの初代「iMac」です。当時のパソコンの常識を覆す、フロッピーディスクドライブの排除、USB端子への統一。そして、「ボンダイブルー」と名づけられた鮮やかなカラーリングのクリアなボディが話題になりました。
翌年にはキャンディカラーと呼ばれる新しい5色のバリエーションが増え、あらゆる製品を透明にする〝スケルトンブーム〟の要因にもなりました。外殻が透明のデザインに対し、本来の意味とは異なる「スケルトン」という呼び方が一般化したのは、この頃かもしれません。
iMacグレープ風のミニクロック
タンジェリン風
iMacはPCにしては安価なのも特徴でしたが、それでも高い買い物ですので、気軽には買えません。しかもこの時代はモニター部分がブラウン管で、かなりスペースを取ります。「小さくて安いiMacがあったらいいのに......」という、要望をかなえるべく登場したのが、iMacにとても似ている卓上のデジタルクロックでした。
ストロベリー風。キーボードと丸いマウスもついて、計算機やラジオ、カレンダーなど多機能
それ以前にもデスクトップPC型卓上クロックは存在しましたので、そのiMac版と言えるでしょう。ラジオや電卓機能を備える製品もあり、サイズ感も含めて会社のデスクに置くのに最適です。
当時、事務仕事などはワードやエクセルに最適なWindows機が優勢で、職場によっては一太郎とロータス1-2-3の場合も。
当時のデスクトップPCを、無理やり透明化した製品。しかし、箱はiMacの広告風に、5色展開の円形構図を引用!
当時SOTECのiMac風PCが類似品として販売差し止めの仮処分を受けましたが、同じPC分野というのが問題でした。一方、こちらは卓上クロックなので問題なかったのかもしれません。それどころか卓上クロックの類似品が多数見つかる状況でした。液晶画面のモニター全盛期の今こそ、この卓上クロックの出番です。
撮影/榊 智朗
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