ジャーナリストの岩田明子氏は、今回のナフサ不足は「供給量が足りない」のではなく、流通の“目詰まり”によって現場の不安が増幅している点に本質があるとみる。そのうえで、高市政権には価格高騰による家計負担を和らげる対策も急がれると訴える(以下、岩田氏の寄稿)。
政府は「足りる」と言うが、現場の不安は消えない
民間企業と政府の間には、ナフサ不足に対する認識に温度差がある──。そう感じたのは4月27日のことだ。私が参加した飲食チェーン企業の取締役会で、インクやパッケージなどが不足する可能性が指摘されたからだ。その直前の24日には第5回中東情勢関係閣僚会議が開かれ、ナフサ由来の化学製品について「少なくとも半年以上」の供給量を確保できたことが強調されていた。30日の第6回会議では、さらに代替調達が進んだとして高市首相は「年を越えて供給を継続できる」と明言した。十分な量を確保できたので、「石油元売りは前年同月比で同量の供給を維持するように」と要請したわけだが、民間のナフサ不足に対する不安は高まり続けた。
カルビーは5月下旬からポテトチップスなどを「石油原料節約パッケージ」に切り替えることを発表し、カゴメは使用するインク量を減らした透明なパッケージにするとした。イラン情勢の悪化に端を発したナフサショックは、スーパーの棚から“色”を奪うとして大きく報道されている。
問題は供給不足ではなく、流通の“目詰まり”だ
なぜ、政府が安定供給を明言するなかで、このようにナフサ不足は深刻化したのか? 原因は流通の目詰まりにある。ナフサは「石油化学のコメ」と称される。
政府は令和のコメ騒動を教訓に迅速に供給の安定化を図ったが、お米よりもはるかに複雑な流通網には考えが及ばなかったのだろう。お米はパンで代替できても、ナフサは代替できないという違いもある。中間業者が先を見越して仕入れを増やすのは、経営安定化のための当然の行動だ。
だが、ナフサ不足は時間の経過とともに解消される可能性が高い。日本商工会議所の小林健会頭が「(必要分は)足りている」と語ったように、流通の“川上”では供給量が確保できているからだ。目詰まりと不安を解きほぐせればショックは終わる。
ただし、世界的なナフサ争奪戦で価格の高止まりは避けられないだろう。野村総研はナフサ由来製品の値上がりで家計負担は年間3万円程度増えると試算している。高市首相には、その負担増を軽減する対策も早急に求められる。
【岩田明子】
いわたあきこ●ジャーナリスト 1996年にNHKに入局。20年にわたって安倍元首相を取材し、「安倍氏を最も知る記者」として知られることに。’23年にフリーに転身後、『安倍晋三実録』(文藝春秋)を上梓。’26年4月にはYouTubeチャンネル「TABOO CRASH岩田明子のオフレコ部屋」を開設
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