◆米大リーグ ドジャース12―7マーリンズ(30日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
トミー・ジョン(TJ)手術から復帰となったドジャースのT・ゴンソリン投手(30)が30日(日本時間5月1日)、本拠地・マーリンズ戦で621日ぶりの復帰登板を果たし、先発で6回3安打9奪三振3失点の投球を見せ、23年8月12日の本拠地ロッキーズ戦以来627日ぶりとなる白星を手にした。右腕は「かなり良い感じだった。
この日、トレードマークだった黒髪の長髪ではなく、さっぱりとしたスキンヘッド姿でマウンドに上がった。イメージチェンジの背景には仲間の気遣いがあった。
23年8月18日の本拠地マーリンズ戦での登板を最後に、TJ手術を受けてリハビリ生活へ。今春のキャンプからチームに合流した。当時はまだ長髪だったが、額付近の髪が薄くなってきたことを気にして、いつも帽子を被っていたという。その悩みを知ったT・スコットやベッツらが「気にしてるなら、全部剃った方がいいんじゃない?」などと助言。チームリーダー格のM・ロハスが「よし、トニーのイメチェンをみんなで応援するぞ」と言い出し、クラブハウスのバスルームで“断髪式”が行われた。
最初にゴンソリンの頭にバリカンを入れたロハスは「俺はやったことがなかったから、トニーの頭にちょっと乱暴にバリカンを当てちゃって傷つけそうになった。そういうのが得意なバンダが『待て!俺が変わる!』と交代してくれて、きれいに仕上げたんだ。
ゴンソリンは「キャットマン(the cat man)」のニックネームを持つ愛猫家で、三振を取る度に球場には演出で「ミャオ、ミャオー」と猫の鳴き声が流れ、この日は9奪三振で9度鳴り響いた。「たしかにマウンドに戻ってこられたことは、とてもうれしい。ただ、自分の仕事をして、それができたことがよかった。今日は本当に楽しかったと思う」。けが人が続出しているチームの先発ローテーションを、イメージチェンジした右腕がけん引してくれそうだ。(村山みち通信員)