◆JERAセ・リーグ ヤクルト0―4広島(5日・神宮)

 広島・鈴木健矢投手(27)は、大事そうにウィニングボールをポケットにしまった。実質ブルペンデーの2番手を務め、4回から2回を無失点。

昨オフに現役ドラフトで移籍した9投手で一番乗りの白星だ。自身も節目の通算10勝目。「カープに来られたからこそ」と満面の笑みを浮かべた。

 1点リードの4回2死二、三塁のピンチは、地面スレスレから浮き上がるようなスライダーでオスナを空振り三振。「制球よく攻められた」と最速131キロという投球で、サブマリンの持ち味を存分に発揮した。

 開催3年目の現役ドラフトで初めて、2巡目指名を受けた。「2巡目に指名を踏み切っていただいたということは、余計に必要としていただけている」と、与えられた境遇に感謝しかない。この日の試合前練習中には四つ葉のクローバーを見つけた。「何かいいことあるかな…」と向かったマウンドで白星をつかんだ。

 「いろんな展開で投げてくれる。すごくありがたい存在」と新井監督の信頼は厚い。チームは4年ぶりの先発で3回無失点と好投した高橋からリレーに成功。

6人の継投で9回完封は球団初だ。首都圏の3球場では今季9戦目で初勝利。7連敗で最大借金2を背負った後の3連勝で、再び貯金1とした。(畑中 祐司)

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