◆東京六大学野球春季リーグ戦第4週第3日▽立大11X―10早大=延長12回(5日・神宮)

 立大が4時間17分に及ぶ激闘を制し、2つ目の勝ち点を挙げた。1点を追う12回裏。

無死一塁から、7番・丸山一喜一塁手(3年=大阪桐蔭)が史上初めての延長戦での逆転サヨナラ本塁打を放った。

 3回を終えた時点で、立大は8―2と大きくリード。ところが早大の猛反撃に遭い、9―9で延長戦にもつれ込んだ。12回表に1点を許した後の攻撃。先頭打者が内野安打で出塁すると、木村泰雄監督(64)はバントの選択肢もあるなか丸山に告げた。「打つしかない。任せた」

 マウンドには、前日の2回戦で完封負けを喫した宮城誇南投手(3年=浦和学院)。丸山は「傾向的にピンチの時に真っすぐで押すタイプ。ストライクゾーンは全て強く打つイメージで」と心に決めていた。カウント0―1からの低めの直球を振り抜くと、打球は大きな弧を描いて右中間スタンドの前列に飛び込んだ。

 「何が起きたか分からない感じでした」と丸山。ダイヤモンドを1周してチームメートの歓喜の輪に飛び込むと、自然と涙がこぼれてきた。

過去、逆転サヨナラ本塁打は15本記録されているが、延長戦では初めてだった。

 立大が早大から勝ち点を挙げるのは、2022年春以来3年ぶり。木村監督は「昨年は、1つ勝っても勝ち点には届かなかった。選手の成長を感じています」と感激の面持ちだった。

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