◆パ・リーグ オリックス3―7日本ハム(6日・京セラドーム大阪)
日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)の復活を告げる放物線が右翼席に着弾した。3―1の6回無死一塁、オリックス・山崎の内角寄りの直球を振り抜いた。
新兵器投入を即決した。試合前のフリー打撃で重さなど自身用に調整した“新清宮モデル”を初めて手にした。「めっちゃバットが出てくる」と好感触を抱き、「ぶっつけでいける」と即使用を決めた。重さや長さはこれまでと同じだが、芯がより手元に近い独特の感覚が清宮にはマッチした。
わらにもすがる思いだった。開幕から打撃の調子が上がらず、4月の練習中には「打球が飛ばないなあ」と息を漏らすこともあった。守備のミスも目立ち、気付けばリーグワーストの8失策。直近2試合はスタメンを外れた。
18年のプロ1号も同じく京セラD。2安打3打点の活躍に「父親の実家もあるし、いつも親戚が見に来てくれる。死んだおじいちゃんがぴゅって(打球を)押してくれた」と笑った。この日は、万波、野村も一発を放ち、23年4月9日のオリックス戦(京セラD)以来の若き主砲のそろい踏み。「お前らも打つのかよって感じ。3人とも求めているところはもっと高いところ」。チームは再び首位オリックスと1差。
◆魚雷(トルピード)バット ボウリングのピンのように中央部分が太く、先端がやや細くなっている形状が特徴。芯が従来のバットより手元側にあり、操作がしやすいとされる。ヤンキースの分析部門に昨季まで所属したマサチューセッツ工科大出身のA・リーンハート氏が中心となって開発。今季ヤ軍が開幕6戦で22本塁打を量産して話題となった。
◆NPBでの魚雷バット使用状況 4月11日から試合での使用が可能となり、同18日には西武・源田がソフトバンク戦(ベルーナD)で使用したのをはじめ、同25日には阪神・大山が巨人戦(甲子園)で第1打席に“日本初安打初打点”となる右前打を放つなど徐々に広がりを見せ始めてきた。5日には中日・木下が使用して、DeNA戦(バンテリンD)で左越え本塁打を放った。