◆日本生命セ・パ交流戦 2025 DeNA4―7日本ハム(7日・横浜)

 こみ上げてくる笑みを、日本ハム・山崎福也投手(32)は我慢できなかった。7回1死満塁のチャンス。

打席で笑みを浮かべた“二刀流”左腕は、DeNA・坂本のチェンジアップを右翼線に運んだ。右前2点適時打で4打数1安打2打点。「6番に置いてもらったんで、何とか1本打ちたかった。本業ではないのでプレッシャーがない感じ。楽しめますよね、思いっきり」。一塁上で両腕を突き上げ、ベンチに向かって左腕を振り下ろした。

 スタメン発表にハマスタが沸いた。昨季に続く「6番」での起用に「うれしかったです。たくさん打席に立ててよかった」。2月のキャンプではクールごとにフリー打撃を行い、バット、ヘルメットなど用具も全てそろえた。「2月、3月で練習する時間があったので、成果が出たのかな」。交流戦でパ・リーグ投手の5年連続安打は、07~11年の杉内(ソフトバンク)に並ぶ最長タイ。

「すごい意識してましたし、新記録つくれるようにと思ってます」と来季の記録更新も誓った。

 起用した新庄監督も「6番に置いた意味おわかり? 1本じゃ足りんわ。1本は打つと思ってましたけどね。2本欲しかったね、打点5」と大笑い。6番は本人にも伝えておらず「そんな驚かなくないですか? まあ僕以外できないでしょうけど(笑)。結果出してくれるんでね、信じて6番に」としてやったりだ。7回の1死満塁は、万波の申告敬遠で走者が埋まったもの。新庄監督は「よっしゃーと思った。めったに三振しない子だからね。初球の甘い球は手を出してくれるし、しっかり間があるからついていける」と賛辞が続いた。

 山崎は投げても7回まで4安打1失点。8回に度会に3ランを許したが、今季3勝目をマークした。

一度登録を外れる予定だが、交流戦期間中にもう1試合、敵地での登板が待っている。最短なら18日の巨人戦(東京D)。「長打を打ちたいですね。練習してきます」と山崎。次回まではバットも振り込み、一発を狙う。(山口 泰史)

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