◆日本生命セ・パ交流戦 2025 阪神8―2オリックス(7日・甲子園)

 阪神・近本が球団日本人最速でプロ通算1000安打を達成した。3―2の7回2死一、二塁。

宮城から一塁線を破る適時二塁打を放った。864試合の藤村富美男を超え、プロ野球歴代14位の861試合で到達(球団最速は809試合で同5位のマートン)。「本当に自分だけの力じゃない。なんとか甲子園で、みんなの前でという気持ちがあった」と頬を緩めた。

 転機は3年目の21年。落ちる変化球に苦戦していた近本は「その時に一番打っていたし、格好良かった」と巨人・坂本を参考に打撃改造を決意した。左手でボールをつかまえにいくイメージから、天性の内角打ちと称される大打者の腕の使い方を研究して「無理やりに」と右手に変えた。同年に178安打で最多安打のタイトルを獲得。一流の道を歩む上できっかけになった。

 3連勝で2位・DeNAと今季最大の3・5差。5カード連続の勝ち越しで今季最多の貯金13とし、交流戦首位タイをキープした。新人時代から安打記録を塗り替えてきた長嶋茂雄さんを「人生の中ですごく大きな人」と言う近本。

プロ通算打率2割8分9厘、48本塁打、288打点、181盗塁。球団史上初の交流戦優勝を狙う藤川阪神には、球界屈指のヒットメーカーがいる。(中野 雄太)

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