◆日本生命セ・パ交流戦 2025 巨人5―0楽天(8日・東京ドーム)

 巨人が楽天に完封勝ちで4カードぶりに勝ち越した。4回に岸田行倫捕手(28)の適時打で先制すると、8回には満塁本塁打で全5打点をマーク。

3日に死去した長嶋さんの通夜が7日に行われ、同日の試合後にウィニングボールを持って参列した阿部慎之助監督(46)は2日続けて弔いの白星を挙げ、「いい報告を優勝してしたい」とリーグ連覇と13年ぶりの日本一への決意を新たにした。

 熱く貪欲に勝利を追い求めた。阿部監督はダメ押しの一発が出た瞬間、無意識に感情が爆発した。1―0の8回2死、岸田が満塁本塁打。「思わず手を上げてしまいました」とガッツポーズだ。かつて恩師の長嶋監督が何度も歓喜した一塁ベンチが大いに盛り上がった。

 前日7日の楽天戦(東京D)は2―0で勝って連敗を5で止めた。長嶋さんの棺(ひつぎ)を乗せた車が自宅から斎場に向かう途中、東京ドームを周回。その後に増田陸と丸が2者連続本塁打を打った。「そういうお話もゾクッときちゃったけど。打ったのは本人たちだけど、長嶋さんが打たせてくれたっていうのもあると思います」。7日の試合後はウィニングボールを持って球場から通夜に参列。

ミスターに勝利の報告をした。

 式場では長嶋さんとの思い出がこみ上げてきた。「(次女の)三奈さんが、ごあいさつしてくれて。遺影がすごい笑顔で。それがすごく印象的で。『皆さんもぜひ笑顔で一緒に写真撮ってあげてください』っておっしゃっていただいて。すごく優しい顔されていたなと思って。感謝だけ述べてお別れはできました」。告別式が行われたこの日、2日連続で勝利を届けた。

 長嶋さんは巨人を誰よりも応援していた。「監督になってから長嶋さんとお会いするといつも『慎之助、大丈夫、今日は勝つよ』と前向きな言葉をかけてくださり、何度も救われてきました。これからもずっと巨人のことを心配して気にかけてくださると思います。

安心して見ていただけるような強い巨人になるようチーム一丸となり、精いっぱい頑張ります」。伝統を継承して常勝巨人を築く決意を新たにした。

 この日はセ・リーグ6球団が全勝。貯金3で首位・阪神を5・5ゲーム差で追う。「いい報告を優勝してしたい。とにかく僕たちは一日一日勝っていくしかない」。天国の長嶋さんを秋に喜ばせるために全力で戦う。

(片岡 優帆)

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