◆米大リーグ パドレス―ドジャース(10日、米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が10日(日本時間11日午前10時40分開始予定)、敵地・パドレス戦前に、23年9月の右肘手術後3度目となるライブBP(実戦形式の練習)に登板した。3イニングを想定して2度の休憩を挟み合計44球を投げ、のべ11人の打者に対して安打性の当たりはなく、6個の空振り三振を奪う快投を見せた。

投球の様子は、ドジャースナインの多くが見守り、山本由伸投手(26)、パドレス・ダルビッシュ有投手(38)は2人で談笑しながら見学していた。

 ここまで投手の調整を順調に進めている大谷。毎回1イニングずつを増やしており、単純なペースではあと2回で5イニング相当を投げることになる。ロバーツ監督はかねて復帰への目安を5イニング投げられるかに設定しており、6月中の復帰すら視野に入るペースでもある。現時点では7月15日のオールスター後が見込まれているが、指揮官は「ゼロではないことは間違いない。そう答えておこう。確実にゼロよりは上だ」と含みを持たせた。

 ドジャースの先発事情は苦しい。グラスノー、スネル、佐々木、ゴンソリンと中心の4人が故障で離脱。開幕からローテを守っているのは山本とメイのみで、カーショーが加わり、残りは若手が穴を埋めている状況だ。首脳陣としては今すぐにでも大谷に復帰して欲しいという思いはあるはず。ロバーツ監督も「誘惑される。

きっと翔平も大リーグの試合に投げたいと思っているだろう」と正直な思いを吐露しながらも、2度目の右肘手術で投手生命をかけた復帰となるため慎重にならざるを得ないこともあり「忍耐強く(リハビリを)やろうと努めている。このプロセスを主導するエルトラッシュ医師とトレーニングスタッフの判断に信頼を置いている」と話した。

 スネルとグラスノーはすでにブルペンでの投球練習を再開。一方で佐々木は最後の登板からすでに1か月がたっているがブルペンにすら入れていない。大谷の投手復帰は首脳陣も葛藤を続けている。

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