◆日本生命セ・パ交流戦 2025 巨人5―0楽天(8日・東京ドーム)

 巨人が楽天に完封勝ちで4カードぶりに勝ち越した。4回に岸田行倫捕手(28)の適時打で先制。

岸田は8回には満塁本塁打で全5打点をマークした。

 勝利を大きく手繰り寄せる放物線を描いた。打球が左中間席へ吸い込まれると、岸田は雄たけびを上げた。1点リードで迎えた8回2死満塁。初球だ。藤平が投じた真ん中低め150キロ直球を仕留めた。今季2号はプロ8年目で初の満塁弾。「(岡本)和真っていつもこんな感じなんやと思った」と、同学年の主砲を引き合いに出しながら喜びをかみしめた。

 指揮官の助言を生かした。試合前の練習中。フリー打撃を行っていた岸田の打撃ケージに、阿部監督が歩み寄り、左足を踏み込む先にバットを置いた。「僕が元々ステップの幅が広いのがあって、しっかり軸足で回転するために練習では少し窮屈にということを監督に言っていただきました」。

バットを目印に、ステップの幅が広くなりすぎないようにフォームを修正。4回2死一、二塁での先制の右前適時打と、グランドスラムでチームの全5打点をたたき出した。指揮官も「スカッとしました。久しぶりに」と目尻を下げた。

 捕手としては完封リレーを演出。バットでは通算7本の満塁アーチを放った長嶋さんのように、満塁の場面で心を燃やして勝負強さを発揮した。「勝つことが(長嶋さんへの)一番いい報告だと思うので、一つ一つ勝ちを積み重ねたい」と誓った背番号27。チームを勝利に導くために攻守で奮闘していく。

(宮内 孝太)

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