◆第74回全日本大学野球選手権▽1回戦 中京大7―0久留米工大=8回コールド(10日・東京ドーム)

 2大会連続21度目の出場となった中京大(愛知大学)が7―0のコールドで久留米工大(九州地区大学)を下し、2回戦へと駒を進めた。この試合で千両役者の働きを見せたのが、大学日本代表候補にも選出されている3番・秋山俊中堅手(4年=仙台育英)だ。

 1点を先制して迎えた3回の第2打席。カウント2―2から甘く入ったスライダーを見逃さなかった。「打った瞬間にいったかな」と話す完璧な打球は、右翼スタンド中段へ飛び込む特大のソロとなった。続く5回の第3打席には外角のストレートを左中間にはじき返す適時二塁打。8回の第4打席も中前安打と、3安打の固め打ちでチームを勝利に導いた。

 この冬はスイングの強さを求めて、ウェートトレーニングに注力。「ウェートで扱う重量も増えたし、頻度も増やした。それがこの試合で出たかなと思う」と充実した表情で明かした。昨年は松山で行われた日本代表合宿に参加。「(他の選手は)大きいだけではなく、筋肉の締まりや力強さを感じたため、(自分も)芯の強さを求めてやってきた」と全国のレベルの体に仕上げてきた。

 7月から始まる日米大学野球選手権大会は日本で開催され、初戦は北海道・エスコンフィールドで行われる。秋山は北海道出身で、代表入りを果たせば地元凱旋(がいせん)となる。

「地元で試合をするのは思い出になるし、あこがれの球場なので何とか代表入りしてプレーしたい」と意気込んだ。

 それでも今は目の前の試合に集中。「昨年のベスト8を経験して、本気で日本一を取りに行くとチームで掲げてきた」と次戦を見据えた。

編集部おすすめ