◆報知新聞社後援 第74回全日本大学野球選手権▽2回戦 早大12x―2東亜大=6回コールド=(10日・東京ドーム)
雨天のため神宮の2試合が中止となり、神宮で1試合、東京Dで4試合が行われた。昨年準優勝の早大(東京六大学)は東亜大(中国地区大学)に12―2の6回コールドで大勝発進。
ビッグエッグに響く「紺碧の空」は格別だった。早大のルーキー・徳丸は二塁に到達すると、ベンチの先輩たちの祝福に右手を上げて応えた。4回、リードを4点に広げ、なおも2死満塁。カウント1―1からの変化球を振り抜いた。強い打球が右翼線に転がる。走者一掃の二塁打だ。この回6点のビッグイニングに貢献。チームを大勝発進へと導き、力を込めた。
「東京ドームは来るのも初めて。すごいなと。甲子園も神宮もすごいんですけど、東京ドームには違った『すごいな』がありました」
今春リーグ戦では途中出場のみ。DHで大学初スタメンに名を連ねた。小宮山悟監督(59)は抜てきの理由に「見たら分かるでしょ。打つからですよ」とニヤリ。来春から東京六大学でも導入されるDH制で、見事に結果を残した。「打撃に集中できた。守っている人よりも結果を残さないとダメ」と表情を引き締めた。
大阪桐蔭では甲子園に3度出場し、昨年9月のU―18アジア選手権(台湾)では高校日本代表の主力で活躍。日の丸を背負った精鋭は今でもよきライバルだ。日本ハムの左腕・藤田琉生とはLINEでやりとりし、神奈川大の高山裕次郎二塁手とは8日の開会式後、原宿から渋谷まで一緒に歩いてハンバーガーを食べた。
利き腕は左だが、両投げもできる器用さも武器だ。「右投げで、たまにゴロの練習に入っています」と徳丸。日本一まであと3勝。変幻自在なバットコントロールで、全国の好投手を仕留める。(加藤 弘士)
◆徳丸 快晴(とくまる・かいせい)2006年5月3日、大阪市生まれ。19歳。4歳頃から兄・天晴と一緒にソフトボールを始める。小4から中学まで大阪柴島ボーイズでプレー。中1時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会で3位、首位打者。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。3年時には高校日本代表として台湾で行われたU―18アジア選手権で準優勝に貢献し、外野手のベストナイン。