ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手の勢いが止まらない。現地6月10日終了時で打率3割9分6厘、24本塁打、58打点。
ヤンキースのゲームノート(記録などを知らせるリポート)は連日、チーム同試合時の打率、塁打、安打などをルースやゲーリッグを始め球団のOBと比較している。それによると、65試合では打率面では1931年ルースが4割4厘、1936年ゲーリッグの4割1厘に次いでいる。190塁打は1927年ゲーリッグの197、1921年ルースの194、1956年マントルの193に次ぐ数字とそうそうたる顔触れの中、上位に食い込んでいる。その上で、ゲームノートはこの時点で「24本塁打以上打っていた打者で打率3割9分6厘を打っていた打者は皆無」としている。
現在の本塁打はシーズン59・8本ペースで、3年ぶり2度目の60本台の可能性は十分。もし、打率4割を越えた場合、これまで大台超えの打率を残していた打者で最も本塁打を打っていたのは1922年カージナルスのロジャース・ホースビー内野手の42本塁打(打率4割1厘)。50本以上打った打者もいない。一方、60本塁打以上マークした打者で最高打率は1927年ルースの3割5分6厘(60本塁打)。つまり史上初となる「打率4割&60本塁打」は、昨年の大谷翔平がマークした史上初の50本塁打&50盗塁に匹敵するような大記録だ。打率を残すバッターは本塁打が、逆にスラッガーは打率面で今ひとつという構図を、今季のジャッジは覆す可能性が高い。
ブーン監督は10日のロイヤルズ戦で24号2ランを含む2安打3打点の活躍を見せたジャッジを「彼は違う(レベルの)リーグでプレーしてる。最も素晴らしいのは、私は彼が普通にいいプレーをしている、と感じていること。私はまだ彼が超調子がいい、という状態じゃないと思うんだ。ただただ、普通にいいプレーを続け、安打を叩き出し、彼がやるべきことをやっていると思う。色々な意味で、私は彼が超調子がいい状態になるのを待っている。そうなると本当に怖くなるんだ」と米大リーグ公式サイトは伝えた。
これからさらに彼の打棒に火が付くと予想するブーン監督。ジャッジは一体どんな成績を残すのだろうか?
※参考資料 米大リーグ公式サイト、ベースボールリファレンス
蛭間 豊章 (ベースボール・アナリスト)