◆ボーイズリーグ◇ ナガセケンコー杯 第34回北海道支部  春季リーグ戦最終節 苫小牧ボーイズ1-8旭川大雪ボーイズ(8日、江別市・野幌総合運動公園ほか)

 最終節で旭川大雪ボーイズが苫小牧ボーイズを8―1で下し、通算7勝1敗で10年連続12度目の優勝を決めた。先発右腕の樽井新太(3年)が5回まで無失点と好投。

打線も5、7回の集中打で大勝に導いた。リーグ戦が終了し、15日開幕の北海道選手権(夕張ほか)の組み合わせが決定。全国大会の切符を懸けて、各チームが熱戦を繰り広げる。

 付け入る隙を与えない。4―0で迎えた5回二死走者なしの守備。旭川大雪ボーイズの荻子理人(3年)は右翼線上に高々と上がった打球をダイビングで好捕した。相手のチャンスの芽を摘むファインプレーにベンチも沸いた。西大條(にしおおえだ)敏志監督(58)は「5回に得点を取った直後に守備でもいいプレーが出た。点差以上に締まった試合をできた」と充実した表情をにじませた。

 リーグ最終戦は6勝1敗で並んだ苫小牧が相手。勝った方が優勝という戦いは、先発右腕・樽井新太(3年)の変化球がさえ、相手打線を惑わせた。初回に1点を先制した後は我慢比べの展開に。

それでも相手の先発投手が交代した5回に打線に火がつき、4番・前田健成(3年)の2点適時三塁打などで3点を追加。樽井も終始安定した投球で、5回6奪三振無失点。節目の10連覇に大きく貢献した。

 樽井は「苫小牧は一発がある打者がいるので、球の高さには気をつけた」と振り返った。2回途中に苫小牧の打者の頭にぶつける死球を出したものの、「周りから『スイッチを切り替えて』と励まされた」と動揺せずにピンチをしのいだ。

 10年連続の栄冠。西大條監督が就任した翌年の2016年から始まった。指揮官は「10年はあっという間。春のリーグ戦が終わると、3年生と一緒にやれるのも、あと少しだなと毎年思います」としみじみ語った。

 全国につながる北海道選手権が15日から始まる。昨年は札幌豊平との決勝で終盤に3ランを許し、涙をのんだ。西大條監督は「うぬぼれず、自信を持っていけばいい」と投打が整ったチームを戦いの舞台へ送り出す。

(飯塚 康博)

 〇…苫小牧の10年ぶり優勝は王者の高い壁に阻まれた。先発右腕の経塚大雅(3年)は4回1失点と踏ん張るも、旭川大雪・樽井の好投の前に自慢の打線が沈黙。それでも準優勝は4年ぶり。選手権で勝ち上がれば、決勝で旭川大雪と再戦する可能性もある。高橋鳳仙主将(3年)は「トーナメント戦は一発勝負。何があるか分からない。一試合一試合、必死になってやっていく」とライバル撃破へ闘志をあらわにした。

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