◇報知新聞社後援 第74回全日本大学野球選手権▽2回戦 青学大5―0奈良学園大(12日・神宮)

 大会史上初の3連覇を目指す青学大(東都大学)が初戦を突破した。今秋ドラフト上位候補に挙がる最速152キロ右腕・中西聖輝(4年)が先発し、7回を1安打零封。

1回1死から20人続けてアウトを奪う快投を見せた。北海学園大(札幌学生)は、プロ注目の最速159キロ右腕・工藤泰己(4年)が先発し5回1失点。46年ぶりの8強入りに貢献した。

 力強く腕を振り、どんな球種も意のままに操る。中西は、MVPに輝いた東都大学のリーグ戦と変わらぬ姿で奈良学園大を圧倒した。1回に安打と味方の失策で1死一、二塁の危機を招く。ここで4番・森大輔、5番・松林克真を二ゴロに仕留めて切り抜けると、2回以降7回まで1人の走者も許さない、計20人連続アウトの離れ業を演じた。

 最速151キロの直球にカーブ、フォークも切れた。7回8奪三振1安打無四球無失点。「初戦としては合格点。でも、初回に課題が残ったので80点です」。自己採点は辛めだが、奈良学園大の1番で、中学時代にシニアで対戦したことがある本間悠人は「全ての球種が真っすぐに見えた」と脱帽した。

 前人未到の3連覇に挑む大会は、降雨で初戦が2日間延期された。「不安と、試合をしたいという焦りの気持ちがあるなかで、入りが難しかった」と中西。それでも、経験豊かな右腕は隙のないパフォーマンスを披露してみせた。「全国大会であろうと、いつも通りに投げることができるのはさすが。トータルバランスで勝負するスタイルは、菅野投手(オリオールズ)に似ている」と日本ハム・坂本スカウトは評価した。

 日程変更のため、優勝するには15日の決勝まで休みなしの4連戦という過密スケジュールになった。この日は89球で降板しただけに「明日、抑えの出番があれば投げるつもりでいますし、あさって以降の先発も準備はしています。4連戦を駆け抜けたい」と中西。常勝軍団のエースとして、チームを支える覚悟はできている。(浜木 俊介)

 ◆中西 聖輝(なかにし・まさき)2003年12月18日、奈良県生まれ。21歳。智弁和歌山では1年夏に背番号18で甲子園出場。

3年夏はエースとして3試合に登板し、智弁学園との決勝は救援で優勝投手に。青学大では2年春にリーグ戦デビューし、通算28試合14勝2敗。今春は最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインに選出される。182センチ、90キロ。右投右打。

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