◆米大リーグ メッツ4―3ナショナルズ(12日、米ニューヨーク州ニューヨーク=シティフィールド)
メッツ・千賀滉大投手(32)が12日(日本時間13日)、本拠地・ナショナルズ戦に先発し、5回2/3を投げて1安打無失点。7勝目(3敗)でメジャー通算20勝に到達し、リーグトップの防御率1・59から両リーグトップの1・47に良化したが、6回に右太もも裏を痛めて緊急降板と暗雲が立ちこめた。
初回1死でウッドに右前打を許して以降、無安打投球の続いていた右腕をアクシデントが襲ったのは6回1死だった。エイブラムズを一ゴロに打ち取り、一塁ベースカバーに入った際、少し高くなったトスを千賀はジャンプしてキャッチしてアウトにしたが、そのまま倒れ込んで動くことができず。そのまま緊急降板した。自力で歩いてベンチ裏に下がったが、ファンが頭を抱える姿が現地中継に映し出されるなど本拠地は騒然とした。
地元放送局「SNY」は試合後に一塁・アロンソが千賀の負傷について言及する様子を伝えた。メジャー全体トップの63打点を挙げている主砲は千賀が倒れ込んだ時から落ち込んでいる様子だったが、「ひどく気分が悪い。できる限り最善のことをしようとしたが、本当に最悪な気持ち。彼は僕たちの仲間の一人だし、ああいうことに関わってしまったのがつらい」と浮かない表情だった。
それでも、メンドサ監督によると、千賀は藤原通訳を通じて「ジャンプする前のステップで違和感を感じた。だから彼(アロンソ)には心配しないようにって伝えてくれ」と話していたという。「明日MRIを受ける予定で、どのくらい重症かは見てみないと分からないけど、IL(負傷者リスト)には入る」と指揮官はエースの離脱を明かしたが、千賀は周囲を気遣う優しさを見せた。