右肩のインピンジメント症候群で負傷者リスト(IL)入りしているドジャース・佐々木朗希投手(23)の離脱が長期化することが13日(日本時間14日)、分かった。ロバーツ監督がキャッチボール再開後の進展がないことを明かした。

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 佐々木の離脱が長期化する見通しとなった。試合前に取材に応じたロバーツ監督は「新しいことはなにもない。まだ強度を上げる状態にはない」と説明。復帰への青写真が描けない状況を明かし、「彼が違和感があると感じているのか、自分の状態に自信を持てないのかは分からない」と首をひねった。

 佐々木は5月3日に初勝利を挙げたが、同9日の敵地Dバックス戦での登板を最後に右肩インピンジメント症候群でIL入り。3月の開幕から球速が徐々に落ち、最後の登板では平均94・8マイル(約152・6キロ)まで低下した。最速165キロを誇るが、4月以降は160キロ以上が1球もなかった。

 精密検査で骨、筋肉、じん帯に目立った異常はなし。IL入り後に佐々木は「別に悪いところがあるわけではない。日に日に現時点でもよくなっている感じはある」と話していたが、5月下旬にキャッチボールを再開させて以降、進展がないという。

 プライアー投手コーチは「まずは自信を持って投げられる状態になる必要がある。その自信が持てるまで本格的な投球にはいかない」と慎重な姿勢を示す。

この日はグラウンドではキャッチボールを行わず、ダッシュ系のメニューのみを消化した。メジャー復帰へはブルペン入り、実戦登板、マイナー登板をこなす必要があり、前半戦の復帰は絶望的。ますはメドが立たない現状を脱することが第一だ。(安藤 宏太)

スネルら復帰でローテ入り困難に

 先発陣に離脱者が多いドジャースだが、復帰のメドが立ちつつある。この日はグラスノーがライブBPで投げ、スネルもブルペン投球。昨季右肘手術を受けた25歳有望株のシーハンはマイナーで4登板を消化した。大谷もライブBPに3度登板しており、4投手とも7月15日(日本時間16日)の球宴前後に復帰しそうだ。

 現在、ローテに定着しているのは山本、メイ、カーショーの3人。現状の3人がいて、リハビリ中の4人が戻れば7人となり飽和状態。スネル、カーショー、グラスノー、山本、大谷ら、実績があり大型契約を結ぶ選手がライバルとあって、潜在能力豊かな佐々木でもローテ復帰は困難になる。

 状態が上がれば復帰できたロッテ時代と同じようにはいかない。昨季の山本のように大型契約の選手であれば、球団も復帰への道を作ろうと模索するが、1年契約でしかない佐々木は実力と結果でつかみ取るしかない。

(メジャー担当キャップ・安藤 宏太)

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