アマ球界の選手を紹介する「ドラフト報知」は、仙台六大学リーグから仙台大・渡辺一生投手(4年)を取り上げる。高校は通信制、クラブチームでプレーした異色の経歴を持つ「150キロが出る変化球投手」。

左腕が夢のプロ入りを目指し、静かに闘志を燃やす。

 テーマは耳慣れない「150キロが出る変化球投手」。渡辺は最速153キロの直球に、チェンジアップ、スライダーなど4種類の変化球を操る。今季は安定感を求め、柔軟性を上げるためピラティスを取り入れるなど「不調でもどう抑えるか」と、球速と制球のバランスを取った投球を目指している。

 経歴も異色だ。最初に入学した関東の高校では、けがの影響で野手としての出場が増えたが、投手にこだわり2年秋に中退して日本航空(山梨)の通信教育課程に編入。神奈川県を拠点とする社会人クラブチームのBBCスカイホークス(現GXAスカイホークス)でプレーし「一度、挫折を味わったので気持ちを切らさずやれるようになった」と前向きに捉えている。

 昨年からはインスタグラムを野球ノートとして活用する取り組みも始めた。公開アカウントで、投球や練習動画にメニューや体の状態を事細かに書き込む。現在のフォロワーは約2万3000人。「質問が来たりすることで整理できるし、自分にもうまく還元できている」と自分を見つめ直す機会にもなっている。

 プロ志望届を出した21年ドラフトでは指名がなかった。

「野球を始めてからずっとプロに行きたいと思っていた」。リベンジに燃える左腕は、自らの名前が呼ばれる日を待つ。

 ◆渡辺 一生(わたなべ・いっせい)2003年12月12日、横浜市生まれ。21歳。小1から横浜中央リトルリーグで野球を始め、岡津中時代は神奈川大和ボーイズでプレー。仙台大では1年春からリーグ戦で登板。今春は5試合2勝1敗、防御率1.27。171センチ、74キロ。左投左打。

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