◆第56回日本少年野球選手権大会 東北中央支部予選 ▽決勝 宮城仙北ボーイズ3x―2宮城仙南ボーイズ=延長8回タイブレーク=(6月14日・鹿島台中央野球場)

 夏の全国大会・エイジェックカップ第56回選手権大会(8月2~7日・大阪シティ信用金庫スタジアムほか)の東北中央支部予選の決勝が14日、行われた。昨年、東北勢初の全国制覇を果たした宮城仙北ボーイズが延長8回タイブレーク、サヨナラ勝ちで3年連続8度目の出場を決めた。

春夏連続の全国大会出場を目指した宮城仙南ボーイズは、あと一歩及ばなかった。

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 勝って泣く涙。目頭をぬぐう何人もの宮城仙北ナインの姿に戦いの激しさが集約されていた。

 あっけない幕切れでもあった。7回2死から敵失で同点に追い付き、延長8回1死満塁のタイブレーク。2死から代打の吉田が左腕に死球を受け、サヨナラ押し出し。両手を突き上げ叫んだ吉田は「緊張したけれど気持ちを振り絞った。(死球は)痛くなかった」。献身的にブルペン捕手を務めた男がヒーローに。田中伸次監督(68)は「この子たちは成長した。今までで一番うれしい優勝です」と興奮気味に語った。

 昨年は全国制覇。

先輩の偉業がまぶしすぎた。3回1死一塁から阿部が右中間へ先制三塁打。50メートル6秒1の快足を誇る強肩捕手は、昨年の選手権大会MVPの阿部琉生(磐田東)の弟。比較され悩むこともあったが兄のアドバイスを受け「自分らしくやろう」と結果を残した。遊撃手の鈴木爵麿(くらま)が侍ジャパンU15の最終トライアウトのため欠場。代わりにショートを守った西舘主将は「爵麿が背中を押してくれたと思う」と共に全国舞台に立てることを喜んだ。

 最速137キロ右腕・木村は、先発で5回を1安打2失点も「(球種を)張られていた」と相手の執念を感じていた。試合後、宮城仙南・中川主将に声をかけた木村は「相手のことを思うと複雑だけど、負けたチームの思いも背負って戦う」とキッパリ。胸を張って全員で優勝旗を返しに行く。その先に夢の続きがある。

 【宮城仙北ボーイズ・登録メンバー】※は主将

 ▽3年生 ※西舘稟翔、岩崎琉生、阿部琥羽、岩渕悠生、木村陽斗、福地蓮夢、鈴木爵麿、三浦陸人、勝又祥暉、中川旺雅、齋藤匠、鈴木煌明、吉田流惟、小野寺駿、佐藤大慎、遊佐宙詩、遠山翔馬、佐藤瞬哉、児玉朔澄、大場智拓日、高橋虎治朗、伊藤京英、佐藤蒼空人

 ▽2年生 工藤陽翔

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