◆日本生命セ・パ交流戦 2025 巨人5―2西武(21日・東京ドーム)

 与座に対して左打者が、みんな前に泳がされていた。最後まで苦戦が続くなと思っていたら6回で交代。

勝っているチームが先に動くのは勝負の鉄則から外れている。西武ベンチは甲斐野によほどの信頼を持っているんだろうが、7回のピッチングは投手目線から言うといただけないね。

 中山の中前安打、岡田の左中間への同点二塁打はストレート。甲斐野はスピードに自信があるのだろうが、若い打者は早いカウントでは当然、真っすぐを狙っている。変化球から入る姿勢があれば、結果は全く違っていただろうね。

 ただ、継投のミスを逃さず、見事に捉えた若手を、もっとほめなきゃな。何と言っても増田陸。高めに抜けたフォークにうまくタイミングを合わせたよ。6月7日の楽天戦で4号の決勝ソロを打った時にも、思いきりのいい、沈滞ムードを吹き飛ばせる選手とほめたが、彼の一番の長所は気迫だな。打とう、打ってやる。そんな気持ちが打席でほとばしっているから、いい場面で答えが出る。ファンならずとも共感させる選手に成長してきたと思うよ。

 交流戦も残り2試合。ペナントも半分近くが終わった今、若手の頑張りで逆転した1戦。後半に向けても、力になるゲームだったんじゃないか。

(スポーツ報知評論家・堀内 恒夫)

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