◆日本生命セ・パ交流戦 2025 中日2―3日本ハム(21日・バンテリンドーム)

 交流戦2位の日本ハムが3連勝で、逆転優勝の可能性を残した。難敵の中日・高橋宏から9安打3得点。

2―1の7回には清宮幸太郎内野手(26)が約1か月ぶりとなる5号ソロで突き放し、逃げ切った。一方、勝つか引き分けでも優勝だった首位のソフトバンクは阪神に完封負け。優勝の行方はこの2チームに絞られ、22日の最終戦に持ち越された。

 交流戦Vの夢を残すアーチを架けた。2―1で迎えた7回2死。清宮幸は高橋宏の内角高め154キロの直球を詰まりながらも右翼ポール際最前列へ押し込んだ。「感触は全然(ダメ)。前飛んだ~って感じ。逆に芯に当たらなかったのが良かった」。5月27日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来、出場20試合、86打席ぶりの5号ソロ。7回以降ピンチの連続だっただけに、この1点が効いた。

 交流戦は首位のソフトバンクが敗れ、0・5差に接近。

22日の最終戦で勝って、ソフトバンクが敗れれば逆転。引き分けでも、ほんのわずかながらチャンスは残る。「交流戦最後、勝って終われたら最高」と清宮幸。3連勝でラストスパートをかけている。

 今季は本塁打こそ少ないが、チーム最多の66試合に出場。試合前には、下半身を強化するメニューをルーチンとしてこなす。障害予防や筋力トレーニングを指導する芹沢S&C(ストレングス&コンディショニング)担当は「自分が何をやっているのか分からない状態から、少しずれているとか自分で確認できるようになったのが成長」と意識の向上を認める。

 新庄監督の采配もはまった。難敵の高橋宏に対し、1、2番には今季2度目の五十幡、矢沢の俊足コンビを起用。初回は2人の安打と二塁打でわずか6球で先制した。1死一、三塁からは「敵をだますのは味方から」と5番・郡司にセーフィースクイズを指示。試合開始10分で2点を奪った。

 大技小技で両リーグ最速で40勝に到達。貯金を今季最多14に伸ばし、2位とのゲーム差も最大の3・5とした。「僕としては交流戦の優勝は興味ない。ただ、賞金を裏方さんの人に渡したいという気持ちはめちゃくちゃあるので取りにいきますよ。マジで」と指揮官も色気を見せた。チーム一丸で、賞金3000万円をかけた大一番に臨む。(川上 晴輝)

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