◆日本生命セ・パ交流戦 2025 阪神1―3ソフトバンク(22日・甲子園)
阪神は交流戦を8勝10敗の8位タイで終え、3年連続の負け越しが決まった。掛布雅之OB会長(70)=スポーツ報知評論家=は、チームの充実ぶりを評価する一方で、この日は盗塁を仕掛ける場面に疑問が残ったと指摘。
阪神は交流戦を8勝10敗で終えたが、むしろセ首位の強さを示したと見る。途中の7連敗も、どちらに転んでもおかしくない試合ばかり。ただ「あと1点」が奪えなかったのはリーグ戦再開に向けての反省点だ。
最終戦では、走るべき場面と走ってはいけない場面が逆だった。一発が出れば逆転の6回2死一塁の佐藤輝の打席で、2―2から植田が二盗に成功した。2死一塁は、本塁打が生まれやすい状況。相手は四球が嫌でストライク勝負の傾向が強くなる。だが、2死二塁のフルカウントになれば、一塁が空いているので、まともに勝負してこない。結果は一ゴロだった。
私が佐藤輝の立場なら首脳陣に意図を確かめる。ソフトバンクの中村のようにつなぎの4番の打席なら理解できる。
1点を追う7回無死一、三塁では、まず一塁走者の高寺に二盗させたかった。特に1死からは三塁走者の大山の代走で熊谷を送り、内野の守備隊形を見ても、まず二塁に送球してこない状況だった。二、三塁になれば、本塁でアウトになっても三塁に走者が残るので、スクイズのサインも出しやすい。結果は1死一、三塁の3ボールからセーフティースクイズで、三塁走者が動けなかった。二、三塁にしておけば、相手は3ボールの時点で満塁策を選択した可能性が高い。手順に疑問が残るもったいない攻撃だった。(掛布 雅之)