◆米大リーグ ドジャース13―7ナショナルズ(22日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が22日(日本時間23日)、本拠地・ナショナルズ戦に「1番・投手、DH」でフル出場。投げては1回無安打無失点で2三振を奪い、打っても日米通算300号に王手をかける8戦ぶりの26号ダメ押し2ランを放った。
これが本来の大谷の姿だ。投げて、打って躍動しファンを沸かせた。8回のリーグトップ26号ダメ押し2ランが、二刀流のショータイムの締めくくりだった。登板日に本塁打を放つのは23年8月23日以来669日ぶり。同5打点は自己最多で「単純にうれしいです」。久々にわき上がってきた懐かしい感情だった。
まずは復帰2戦目の投手だ。遊撃手・ベッツの失策もあり、1死一塁としたが、ガルシア、N・ローと2者連続の空振り三振。決め球は内角低めへのスイーパーと、低めに沈むカットボール。
バットでは1点リードの7回無死満塁で一塁線を破る3点適時三塁打。試合の流れを大きく引き寄せると、8点リードの8回に8戦、38打席ぶりのアーチ。左中間席のファンのグラブをはじいてボールがグラウンドに戻り、最初の判定は二塁打だったが、約1分間のリプレー検証で本塁打になった。それでも2打席目まで連続三振で「最初2打席は投手も素晴らしかったですし、なかなか自分のアプローチの打席を送れなかったので、少し反省点かなと思う」と、得意とする6月で21戦でまだ4発。満足感はない。
ド軍移籍後初めての二刀流挑戦に、周囲も驚きを隠せない。リハビリ中の全キャッチボールを真横で見守ってきたT・アルバートヘッドアスレチックストレーナーは、復帰初戦で最速100・2マイル(約161・3キロ)を計測したことに「とても驚いた。なぜならそれまでの練習では100マイル(約161キロ)を投げたのは見たことがなかった。以前出していたことは知っていたけど、ちょっと心配になるほどだったよ」と正直な胸の内を明かした。
この日は予定通りの1イニングだったがもちろん通過点に過ぎない。「5回以上投げられるようになって、初めてスターター(先発投手)じゃないかなと思う。そこまでまずは後退しないように、少しずつでも前進していければいい」。中5日の登板間で19打数2安打の打率1割5厘で本塁打なしだったが、登板日に2安打5打点。二刀流でこそ真価を発揮する男が、また過去の大谷を超えていく。(安藤 宏太)
翔平に聞く
―本格的に投げられるまではどれくらいかかりそうか。
「イニング、球数は一気に増やすということはもちろんないのかなとは思う。徐々に増やしていければいいので、今の段階で、まずクオリティーを上げていくことと、徐々に増やしていくっていうことが一番大事」
―中5日で改善した点は。
「一番はやっぱり動き方が重要じゃないかなと思う。その過程でロケーション(配球)であったりとか、一つ一つのクオリティーが決まってくると思う。自分がどういうふうに動いてるのかというのを前回から今日、約5日間くらい話しながら改善しました」
―1、2打席目に三振を喫しながら4、5打席目で三塁打、本塁打。
「1、2打席目に関しては、投げてる球も、相手の投手(ソロカ)も素晴らしかった。どちらかというと自分がイメージしてた、投手像、球の軌道というよりも、今日はキレていたというか、良かったんじゃないかな。そのイメージのズレで、打ちにいっている球が空振り、ファウルになってるっていうところ。単純に相手の投手が素晴らしかったってのもある」
―17日に右太もも、19日に右脇腹に死球を受けたが。
「デッドボールの影響は特にはない。我慢できる痛みの範囲内。打撲とかに関しては、ケアをしっかりしていけば数日で良くはなるんじゃないかなと思ってます」