◆米大リーグ ドジャース13―7ナショナルズ(22日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が22日(日本時間23日)、本拠地・ナショナルズ戦に「1番・投手、DH」でフル出場。投げては1回無安打無失点で2三振を奪い、打っても日米通算300号に王手をかける8戦ぶりの26号ダメ押し2ランを放った。

投手では調整段階にあるが、「元の状態以上に戻れる自信は出てきている」と手応えを示した。

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 「投手・大谷」は順調にステップアップした。先頭のエイブラムズを初球の直球で一ゴロ。続くウッドの高々と上がった飛球はベッツが落球して走者を背負ったが、ガルシア、過去2本塁打を浴びたN・ローを2者連続三振。前日21日に本塁打を放った左打者4人を難なく抑えた。

 16日の初登板では最速100・2マイル(約161・3キロ)を計測。試合後、「なるべく95、96マイル(約153~155キロ)ぐらいで投げたいなとは思ってた」と振り返っていた。この日は直球は6球で最速は98・8マイル(約159・0キロ)。より力の抜けたスムーズなフォームにも見え「前回よりはリラックスして、全体的に投げられたかなと思う」とうなずいた。

 配球にも変化があった。前回は、右打者3人、左打者2人との対戦だったこともあり、28球でリハビリ中に重点的に取り組んできたツーシームが8球(28・5%)あったが、この日は左打者4人だったこともあってか同球種は0球。バッテリーを組んだ捕手のラッシングは「試合前から話し合って、同じ考えを持ってできた」と説明。

大谷からサインを出す場面もあったが、スライダー系(スイーパー、カットボール)を18球のうち10球投げて、横だけでなく縦の変化も使って打者を手玉に取った。

 先発投手としての完全復活へ向けては、体力面だけでなく、2戦連続の暴投など、まだ課題が残されているのも事実。今後も週1度の登板で、少しずつイニングや球数を増やしていく方針は変わらず、5回以上を投げるのは球宴後となることが濃厚だ。「まだまだ直さないといけない点は多いですけど、一つ一つ改善したい」と大谷。試合前には左翼のブルペンからグラウンドに出ず、裏通路を通ってベンチに戻るなど、ドジャースタジアムでのルーチンも試行錯誤している段階だ。

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