巨人の西舘勇陽投手(23)が23日、交流戦最終戦を快投で締めくくる決意を示した。登板予定の24日・ロッテ戦(ZOZO)に向けてG球場で調整。

先発転向から2連勝と波に乗る右腕は「チームとしていい形で終われるように」と必勝を誓った。交流戦で3戦3勝をマークすれば、花巻東の先輩・15年菊池雄星(西武)、16年大谷翔平(日本ハム)らに並ぶ快挙。先発ローテーション定着をたぐり寄せ、一流投手への階段を駆け上がる。

 託された大トリのマウンドを守り抜く。気温30度を超えたG球場のグラウンドで、西舘はリラックスした表情を見せながら最終調整した。「交流戦最後の試合なので、チームとしてなんとかいい形で終われるように」。前回登板の18日・日本ハム戦(東京D)は、7回1失点の好投でチームの連敗を4でストップ。プロ初の中5日で交流戦ラストゲームを任されたのは、首脳陣から寄せられる信頼の証しだ。

 2年目の今季は中継ぎで開幕を迎えたが、5月の登録抹消後に先発転向。交流戦の1軍再昇格からソフトバンク、日本ハムの強力打線を相手に2連勝と波に乗っている。イニングが進んでも150キロ超の直球は威力が落ちず、杉内投手チーフコーチは「すごいポテンシャルを感じます」と新星への期待を隠さない。

 ロッテ戦で白星をつかめば、交流戦3勝目で加藤(日本ハム)に並んで12球団トップタイに浮上。

交流戦“最多勝”には15年菊池雄星、16年大谷翔平、21年山本由伸(オリックス)、23年戸郷翔征(巨人)らビッグネームがズラリと並ぶ。「試合前はどうしても緊張しちゃうんですけど…。なんとか練習前とかやることをやって、準備はしっかりして臨めれば」と初々しくはにかんだ西舘。無欲で役割を全うする。

 ZOZOのマウンドは中大時代の東都大学リーグで経験済み。4年秋の亜大戦では9回1安打13奪三振でリーグ戦初完封を飾った。特有の強風も「あんまり感じなかったですけど、野手がフライを3回ぐらい落としたくらいで(笑)。変化球は有効に使っていきたい」と追い風にする。

 戸郷が今季2度目のファーム再調整となり、ローテを支える右の本格派として西舘にかかる期待は大きい。「悪かったらすぐ2軍に降格させられるんじゃないかという怖さは今でも全然あります。まずはチームが勝つために投げられたら」。リーグ戦再開へ、新星が逆襲の流れを作る。

(内田 拓希)

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