◆第107回全国高校野球選手権南北海道大会地区予選 室蘭地区Aブロック1回戦 室蘭栄10―5=延長10回タイブレーク=(22日・とましんスタジアム)

 札幌、室蘭、北見地区予選が開幕した。室蘭地区では室蘭栄が苫小牧東との進学校対決に10―5で勝利。

タイブレークの延長10回に3本のセーフティーバントを成功させて5点を奪い、激闘を制した。十勝地区では昨夏代表の白樺学園が帯広三条を4―3で下し、初戦を突破した。

 室蘭栄が完全アウェーの雰囲気をはねのけ、2回戦に進出した。球場から校舎が見える相手の全校応援の大声援が響く中、延長10回の激闘を制した。3安打1打点の戸嶋謙友左翼手(3年)は「これまでやってきたことが報われるというか、最高の試合。勝つことができて、次に進めてうれしい」と破顔した。

 1回に4点を奪うなど2回までに5点をリードした。しかし“ホーム”の苫小牧東が徐々に息を吹き返し、3回から4イニング連続失点。同点に追いつかれたが「全校応援も来ていて逆転されるのかなと思ったけど、このまま終わるわけにはいかないと思った」。5回1失点と好投した2番手・笹木旬(2年)が終盤のピンチを踏ん張ると、延長10回に伝統の小技で決勝点を奪った。

 無死一、二塁から始まるタイブレーク。9番・笹木のセーフティーバントが相手失策を誘い二塁走者が生還した。

1死後の二、三塁からは2番・戸嶋、3番・坂本晃基一塁手(3年)と2者連続でセーフティーバントを成功させ、一挙5得点で突き放した。母校を率いて18年目の西崎和仁監督(53)は「あれがウチのスタイル。ずっとやってきたことを最後にしっかり決めてくれた」と絶賛した。

 胆振管内を代表する進学校である同校の中でも、さらに偏差値が高い理数科に所属する戸嶋は、現時点で北大を志望している。受験に向けて勉強も欠かせない時期だが「今は野球に集中。全力で夏を戦い抜きたい」。60年ぶりの南北海道大会出場へ、次戦は苫小牧中央に挑む。

(島山 知房)

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