2部1位の駒大が1部6位の日大に連勝し、昨春以来3季ぶりの1部昇格を決めた。2部リーグでMVPに輝いた4番・真辺麗生(れお)外野手(2年)が4安打を放つなど、17安打11得点。
迷いのない真辺のスイングが駒大打線に勇気を与え、つながりを呼んだ。1点を先制された直後の2回先頭、左中間二塁打を放って逆転の口火を切った。「思い切りいこうと決めていた。目立ちたい気持ちがあるので、前日よりさらにギアを上げました」。勢いは止まらず4安打で得点も4。日大を圧倒した攻撃の核となった。
2部優勝、入れ替え戦連勝の立役者となった2年生4番に、元巨人でOB会長を務める中畑清氏が最大級の賛辞を送った。「チームの柱です。今でもプロ入りできるくらい」。視察するスカウトからも「思い切りバットを振れる。将来が楽しみ」との声があがった。
ネット裏では、太田誠終身名誉監督を中心に中畑氏、元巨人・高橋尚成氏、元西武・石毛宏典氏、元日本ハム・大宮龍男氏らOBが昇格を喜び合った。89歳の名将は「久しぶりに神宮に足を運びました。しっかり日頃の訓練の成果を出した」と言って表情を緩めた。
駒大苫小牧を率いて04、05年の夏の甲子園を連覇した香田誉士史監督(54)は、周囲が促した胴上げを固辞した。「いつか、日本一になった時にしてもらいたい」。頂点の景色を知る指揮官のもと、新生・駒大はさらに強くなる。(浜木 俊介)