◆全国高校野球選手権静岡大会 ▽3回戦 静岡16―1藤枝東(20日・浜松)
3回戦8試合が行われ、16強が出そろった。静岡は藤枝東に対し、2本塁打を含む11安打を浴びせ、16―1の5回コールド勝ちを収めた。
静岡の新4番・奥山が、存在感を示した。3―1で迎えた3回1死三塁、甘く入ったスライダーを捉え、右越え2ラン。身長183センチの左打者は「公式戦1号だったので、うれしいです」と満面の笑みだ。「バットの先に当たった感触」と振り返るが、低反発バット完全導入後、高校生では越えるのが難しい両翼99メートル、中堅122メートルの広い浜松球場での一発だった。
東海大静岡翔洋中軟式野球部で全国優勝を経験し、文武両道の校風に引かれ静岡に進学した奥山。池田新之介監督(48)が「走攻守全てが優れ、潜在能力が高い子。スラッガーとしてのスイングの強さに、ミート力もある」と絶賛する逸材だ。
今春県大会2試合では、2番や5番で8打数1安打だった。しかし大会1か月前から4番に定着。
堅守が持ち味の静岡だが初戦の静岡東戦の9得点に続き、この日も打線は、11安打16得点の猛攻。夏の県大会で15得点以上を記録したのは、18年初戦(2回戦)で17―0と5回コールド勝ちした沼津城北戦以来だ。5回には代打の平野光星捕手(1年)が左越え3ランを放つなど長打6本を記録した。
指揮官は「奥山だけではなく、全体の打撃の調子が上がっている」。次戦は春県3位の日大三島との大一番が控える。勢いそのままに、伝統校の意地をぶつける。(伊藤 明日香)