◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽5回戦 豊中7―3千里青雲(22日・豊中ローズ)
大阪大会は5回戦8試合が行われ、豊中が千里青雲との「公立対決」を7―3で制し、豊中中時代の1947年以来、78年ぶりの8強進出を決めた。公立校のベスト8入りは2021年の八尾以来、4年ぶりとなる。
豊中ナインが78年ぶりに歴史を動かした。4回から力投を続けた2年生右腕・猪崎悠太郎が4点リードの9回2死、最後の打者を三振に仕留めると、球場全体が歓声に包まれた。日本国憲法が施行された1947年以来の8強入り。OBも数多く駆けつけるスタンドでは涙する人もいた。主将の中原健吾捕手(3年)は「うまくいかないことの方が多かったですけど、最終的に頑張りが報われた」と感無量の面持ちだった。
野球部も開校と同じ21年創部。28年には全国中等学校野球大会に出場した伝統校だ。昨秋就任した白井晶浩監督(34)も「皆さんに支えられて成り立っている」と卒業生らの支援に頭を下げる。OB会が6月上旬、打撃マシンを新たに購入。選手らは4得点した6回に4安打を集中させるなど計10安打7得点で感謝を伝えた。同主将は「『ベスト8』と『応援されるチーム』という目標を掲げてきた。それぞれに自覚が芽生えてきた」とチームの成長をかみ締める。
これで満足せず、次は新たな1ページをつくる。「一戦一戦。粘り強く。思い切って」と中原主将。次戦は東海大大阪仰星戦。8強唯一の公立校として、意地を見せつける。(森口 登生)
◆豊中(豊中市) 1921年、大阪府立第十三中学校として開校。22年、豊中中学校に改名。48年、新学校制度で現校名「大阪府立豊中高等学校」に。京大、阪大など難関国立大へ合格者多数の進学校。校訓は「質実剛健・協同進取」。校歌は北原白秋が作歌、山田耕筰が作曲。