◆第107回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽準決勝 白樺学園12―3士別翔雲=7回コールド=(21日・エスコン)

 準決勝2試合が行われた。昨夏王者の白樺学園は、12―3の7回コールドで士別翔雲に勝利。

1年生の7番・後藤健二塁手が2安打3打点をマークし、同校史上初の2年連続決勝進出に導いた。

 白樺学園のスーパールーキーが、エスコンデビュー戦でも躍動した。6回2死満塁で迎えた15歳最終打席。後藤は「死球の後は甘い球が来ると思って、初球を思い切って振りました」。外角直球を逆らうことなくはじき返し、7回コールド勝ちの9点差に広げる走者一掃の左越え適時二塁打。ベンチに向かって右拳を握った。

 中学までは、逆方向への打球が外野手の定位置までしか飛ばなかった。高校入学後はポイントを後ろに下げ、ヘッドの重さを利用して飛ばす意識を亀田直紀監督(38)からたたき込まれ、飛距離がアップ。準々決勝のクラーク戦では最速148キロ右腕・辻田丞(3年)からも左越えの二塁打を放っており、「練習の成果が出ている」とうなずいた。

 昨夏の甲子園メンバーが多く残るチームで、1年春初戦から全試合スタメン出場を続けてきた。後藤が小学6年時に初めてプレーを見た時から素質を感じていた指揮官は「野球勘、嗅覚がすばらしい。教えてできるものではない。

そういうセンスは今まで見てきた選手で一番」と絶賛する。173センチ、77キロと大柄ではないが、3キロのメディシンボール投げはチーム全体2位の17メートル、10メートル走は1秒59で同1位。3年生も顔負けのパワーとスピードで今夏は打率3割8分9厘、6打点をマークしている。

 中学3年時、道内5校から誘いを受けたが、帯広市出身の背番号4は「地元の学校から甲子園」を夢見て進学を決めた。決勝が行われるきょう22日は16歳の誕生日。「自分がヒーローになるくらい活躍して、先輩たちを甲子園に連れて行きたい」。甲子園出場という最高の誕生日プレゼントを自らの手で引き寄せる。(島山 知房)

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