◆JERA セ・リーグ 巨人3―4中日(13日・東京ドーム)

 熟練の技術が光るアーチだった。初回先頭。

丸はカウント1―2から柳の144キロ直球に反応した。内角低めの厳しいコースに対して両腕をたたんで捉えると、最後は右手一本で払うようにして振り抜き、右翼席へ。7月26日の広島戦(マツダ)以来となる3号ソロで先制点をもたらした。先頭打者弾は自身にとって昨年9月18日のDeNA戦(東京D)以来、通算14度目。ダイヤモンドを一周し、“マルポーズ”で歓喜を共有した。

 先輩から力をもらっていた。この日は巨人、中日の両チームでプレーし、今年3月に現役引退を発表した中島宏之氏が始球式を行った。現役時代に苦楽を共にした先輩と再会。自然と気合がみなぎり「久々にナカジさん(中島)に会ってパワーをもらえたので打てました。ナカジさんありがとうございます」と感謝した。4回1死では逆方向の左翼フェンス最上部への二塁打。2試合連続マルチ安打とした。

 今季は右足のけがで出遅れたが6月下旬から不動の1番として君臨。試合の最初に打席に入るチームの顔とも言える重要なポジションで役割を全うしている。「勝てるように、できることをやっていきたい」と意気込むベテランが上昇気流に乗せていく。(宮内 孝太)

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