◆報知新聞社主催◇第19回全日本中学野球選手権大会ジャイアンツカップ ▽2回戦 旭川大雪ボーイズ8-0仙台太白リトルシニア(13日・大田スタジアム)
9年ぶり3度目の出場の旭川大雪ボーイズが仙台太白リトルシニアに8―0で大勝し、初のベスト8進出を決めた。先発の2年生右腕・神元朔は5回1安打無失点の好投。
“秘密兵器”が最高の舞台でベールを脱いだ。176センチの体格から繰り出す直球が武器の神元はこの日、自己最速を1キロ上回る134キロを計測。5回で降板するまで打者18人に1安打無失点と相手打線を抑え込んだ。8得点を奪った打線もかみ合い、初の8強入りを決めた。
殊勲の右腕は「1、2点取られても先輩たちがすぐに取り返してくれると思っていた」と涼しげに語った。西大條敏志監督(58)は「本番になったら強いタイプ。今日は神元に尽きる」とうなった。
投手陣では樽井新太、前田健成の3年生ダブルエースに次ぐ3番手。神元は「ファーストストライクを意識した。今日は(捕手の)市川(大心)さんが出すミットに投げただけ」とあくまで謙虚だ。
チームの目標は4強。それでも神元は「次の試合も勝って、東京ドームの決勝で投げてみたい」とさらに先の夢を見据えた。
〇…旭川大雪は大会の特別規定を使い、指名打者(DH)制を採用した。4番の前田が指名打者で出場し、先発投手の神元は打席に立たなかった。神元が5回で降板すると、DHを解除し、前田が2番手でマウンドに立った。西大條監督は「前田をリリーフさせることを決めていたのでDHを使ってみた」と意図を説明。DH制を初めて経験した前田は「守備の間に投手の準備に集中できたので結構良かった」と感想を明かした。