◆第107回全国高校野球選手権大会第9日 ▽2回戦 横浜5―1綾羽(14日・甲子園)

 春のセンバツ覇者・横浜(神奈川)が逆転で綾羽(滋賀)に勝ち、7年ぶりの16強入りを決めた。甲子園からベンチ入りを果たしたルーキーの川上慧(1年)が「7番・右翼」で大抜てきされ、1安打1得点と活躍した。

 昨夜スタメンを伝えられたが、両親にはあえて連絡しなかった。「言ったら緊張するかなと思って。親にはスタメン発表まで言ってないです」。スタンドに駆けつけた両親には思ってもないサプライズだった。緊張はあったかと聞かれると、「甲子園に入った瞬間に緊張はなくなった」と振り返った。

 1点を追う5回無死一塁。「人生初」の犠打を初球で決めて走者を進めると、後続の適時打で同点に。6回の第3打席では1―2から甘く入った直球をはじき返し、中前安打でチャンスを拡大した。得点には至らなかったものの、「良い結果につながって良かった。ホッとしました」と聖地での初安打を喜んだ。

 この日は2打数1安打1得点。「ボールをバットに当てる技術には自信がある。

追い込まれても苦にせず、持ち味が出せた」と話す通り、2四球を選ぶなど打撃でチームに貢献した。守備では、初回1死一、三塁で飛球を処理し、ワンバウンドで本塁送球。惜しくもアウトにはならなかったが、強肩を披露した。

 中学時代には遊撃手でU15の日本代表に選出された。入学後は外野での出場が続くが「今は(内野と外野の)両方っていうイメージ。秋からは内野もやるかなと思います」と明かした。

 器用万能なルーキーは「もちろん春夏連覇も(目標に)あるんですけど、自分の中では夏しかないので、もう少し活躍して優勝に貢献したいなと思います」と力強く語った。横浜の“背番号15”が日本一に向けて聖地を駆ける。(高澤 孝介)

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