◆米大リーグ エンゼルス6―5ドジャース(13日、米カリフォルニア州アナハイム=エンゼルスタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が敵地エンゼルス戦に「1番・投手兼DH」で出場し、古巣相手に初登板。23年WBC決勝以来となるトラウトとの勝負は2打席連続三振に封じた。
待ち焦がれていた瞬間だった。球場全体から注目を集めた盟友対決。打席のトラウトが不敵に笑うと、大谷も笑顔でうなずいた。23年8月23日以来の古巣本拠地マウンドで迎えた初回2死。同年WBC決勝以来の対決が実現した。「元チームメートに投げるというより、スタジアムで投げること自体が久々だったのでそれは特別なことかな」。5連続直球。真っ向勝負でフルカウントにすると、最後は86・8マイル(約139・7キロ)スライダー。してやったりの見逃し三振に斬ると、再び両者の頬が緩んだ。
5―2の4回先頭。
白星は手に入らなかったが、二刀流完全復活にまた一歩前進した。ロバーツ監督は「まだ投げ切るだけの力が残っていた」と印象を口にし、大谷も「たくさんの思い出があるスタジアムで、もちろん好きな球場。その中でステップアップできたのはいい一日だった」と充実感を漂わせた。
自己最長タイの5戦連発こそならなかったが、バットでももり立てた。
チームは宿敵パドレスに首位の座を譲ったが、1日休み15日(日本時間16日)から本拠地で直接対決に臨む。翌週にも敵地での最終対決を控えており「接戦で惜しいゲームができている一方で、勝ちきれない部分はプレッシャー、焦りみたいなものがある。休みを挟んで大事な試合が続くので、切り替えてしっかり集中したい」と大谷。ワールドシリーズ連覇を期す最強軍団が正念場を迎えている。(竹内 夏紀)
◆大谷VSトラウト 23年3月21日にマイアミで行われたWBC決勝で日本と米国は対戦。試合前に大谷とトラウトは両国の国旗を持ってセレモニーに参加。3―2で日本リードの9回から大谷は登板。2死走者なしで当時同僚だったトラウトとの対戦を迎えた。