◆米大リーグ エンゼルス6―5ドジャース(13日、米カリフォルニア州アナハイム=エンゼルスタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が敵地エンゼルス戦に「1番・投手兼DH」で出場し、古巣相手に初登板。23年WBC決勝以来となるトラウトとの勝負は2打席連続三振に封じた。

今季最長4回1/3を5安打4失点で、エンゼルス時代の23年8月9日(日本時間10日)以来735日ぶりの勝利はならず、チームは逆転負けで今季エンゼルス戦6戦全敗。4月27日以来、108日ぶりに首位から陥落した。

 待ち焦がれていた瞬間だった。球場全体から注目を集めた盟友対決。打席のトラウトが不敵に笑うと、大谷も笑顔でうなずいた。23年8月23日以来の古巣本拠地マウンドで迎えた初回2死。同年WBC決勝以来の対決が実現した。「元チームメートに投げるというより、スタジアムで投げること自体が久々だったのでそれは特別なことかな」。5連続直球。真っ向勝負でフルカウントにすると、最後は86・8マイル(約139・7キロ)スライダー。してやったりの見逃し三振に斬ると、再び両者の頬が緩んだ。

 5―2の4回先頭。

2度目の勝負は、この日最速100・7マイル(約162・1キロ)の直球を外角低めいっぱいにねじ込み、見逃し三振。「一番いい打者。ベストな球を常に投げなければいけない。あの2打席はしっかり投げ切れた」。トラウトには2打席2三振の完勝だったが、復帰後最長イニングとなった3点リードの5回1死一、二塁。ネトに2点二塁打を浴びて80球に達し、途中降板。4回1/35安打4失点で今季初白星はならなかった。チームも逆転負けで4月27日以来108日ぶりの首位陥落だ。

 白星は手に入らなかったが、二刀流完全復活にまた一歩前進した。ロバーツ監督は「まだ投げ切るだけの力が残っていた」と印象を口にし、大谷も「たくさんの思い出があるスタジアムで、もちろん好きな球場。その中でステップアップできたのはいい一日だった」と充実感を漂わせた。

 自己最長タイの5戦連発こそならなかったが、バットでももり立てた。

登板直前の初回先頭。チェンジアップを捉え、右翼線を破って一気に三塁へ。MLB公式サイトのS・ラングス記者によれば、先発投手による初回先頭打者三塁打は史上初。今季自己最長の12試合連続安打と好調をキープしている。

 チームは宿敵パドレスに首位の座を譲ったが、1日休み15日(日本時間16日)から本拠地で直接対決に臨む。翌週にも敵地での最終対決を控えており「接戦で惜しいゲームができている一方で、勝ちきれない部分はプレッシャー、焦りみたいなものがある。休みを挟んで大事な試合が続くので、切り替えてしっかり集中したい」と大谷。ワールドシリーズ連覇を期す最強軍団が正念場を迎えている。(竹内 夏紀)

 ◆大谷VSトラウト 23年3月21日にマイアミで行われたWBC決勝で日本と米国は対戦。試合前に大谷とトラウトは両国の国旗を持ってセレモニーに参加。3―2で日本リードの9回から大谷は登板。2死走者なしで当時同僚だったトラウトとの対戦を迎えた。

5球目に101.6マイル(約163.5キロ)をマークし、フルカウントから6球目の外角87.2マイル(約140.3キロ)のスライダーで空振り三振。日本の優勝が決まると、大谷は帽子とグラブを豪快に投げ飛ばして喜びを爆発させた。

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