◆米大リーグ オリオールズ5―3マリナーズ(14日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズ・菅野智之投手(35)が14日(日本時間15日)、本拠地・マリナーズ戦に先発。5回1/3を3安打1失点と好投し、日本人ルーキーでは昨年の今永昇太(カブス)に次いで史上10人目となる10勝目(5敗)をマークした。

渡米後最長の自身4連勝で、巨人から移籍した選手としては2010年の高橋尚成(メッツ)以来2人目の快挙となった。

 ドジャース・大谷翔平投手(31)を上回り、MLB全体でトップの45本塁打を放っているマ軍主砲のローリーは休養のため、ベンチスタート。6月の対戦では3打数無安打1三振に封じたローリーとの注目の再戦がお預けとなる中、菅野は初回。1死から2番・ネーラーに右翼線にこの日初安打を許すが、右翼のJ・ジャクソンの好返球で二塁タッチアウトとなった。

 2回以降、4回までに出した走者は四球による1人だけと安定した投球。3点の援護をもらった直後の5回は先頭のカンゾーンに右越えエンタイトル二塁打を浴びたが、続くガーバーを空振り三振に斬り、最後は2死三塁からヤングを右飛で得点を与えなかった。

 リードが5点に広がった6回。雨が強まる中、菅野は1死からネーラーの右前打で2回以来の走者を背負った。1死一塁で3番・ロドリゲスを打席に迎え、1球目でストライクを奪った直後に雨が激しさを増す。観客も次々と屋根のある場所に移動するほどの雨脚となり、タイムを取ろうとした菅野だが、ピッチクロック違反で1ボールを取られ、この後に試合中断となった。

 2時間18分と長時間の中断となったため、菅野は再びマウンドに上がることはなかった。この日は81球を投げ、3安打2奪三振2四死球。

最速は94・7マイル(約152・4キロ)だった。試合は5―0の6回1死一塁から再開となり、2番手右腕・ガルシアがロドリゲスに2ランを被弾したため、菅野に1失点が記録された。防御率は4・13となった。

 前回8日(同9日)の本拠地・アスレチックス戦では、10試合ぶりのハイクオリティースタート(7回以上自責2以下)を達成。7回5安打1失点で9勝目となり、「うれしいです。それだけ責任回を投げられている証拠でもあるので。(10勝は)通過点ではありますけど、次も今日みたいな投球ができると勝てると思う」と話していた。6月は月間防御率6・20、7月は同5・75と苦しんだ時期もあったが、ア・リーグ東地区最下位に沈むチームで最も勝利を挙げている35歳のオールドルーキーが今季23試合目で“有言実行”のピッチングを披露し、節目の2ケタ勝利に到達した。

 ◇メジャー1年目で2ケタ勝利を達成した日本人投手(※菅野の成績は日本時間15日時点)

〈1〉95年 野茂英雄(ドジャース) 28試合 13勝6敗 防2・54

〈2〉02年 石井一久(ドジャース) 28試合 14勝10敗 防4・27

〈3〉07年 松坂大輔(Rソックス) 32試合 15勝12敗 防4・40

〈4〉10年 高橋尚成(メッツ) 53試合 10勝6敗8セーブ 防3・61

〈5〉12年 ダルビッシュ有(レンジャーズ) 29試合 16勝9敗 防3・90

〈6〉14年 田中将大(ヤンキース) 20試合 13勝5敗 防2・77

〈7〉16年 前田健太(ドジャース) 32試合 16勝11敗 防3・48

〈8〉23年 千賀滉大(メッツ) 29試合 12勝7敗 防2・98

〈9〉24年 今永昇太(カブス) 29試合 15勝3敗 防2・91

〈10〉25年 菅野智之(オリオールズ) 23試合 10勝5敗 防4・13

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