◆米大リーグ オリオールズ5―3マリナーズ(14日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズの菅野智之投手(35)が14日(日本時間15日)、本拠地・マリナーズ戦で5回1/3を投げ、3安打1失点。今季10勝目を挙げ、メジャー1年目として日本人投手史上10人目となる2ケタ勝利を達成した。

試合は5―0で迎えた6回1死一塁で降雨中断し、菅野は球数81球で降板。2時間18分後の試合再開で2番手のガルシアがロドリゲスに2ランを浴びた。菅野は2奪三振2四死球で防御率は4・13。今季10勝はア・リーグ新人単独トップ。投球回も126回1/3でリーグ新人トップに躍り出た。日本人投手の渡米初年度2ケタ勝利は1995年の野茂英雄(ドジャース)を筆頭に、最近ではおととしの千賀滉大(メッツ)、昨年の今永昇太(カブス)に続き3年連続となった。

 試合後の主な一問一答は以下の通り。

―雨中のピッチング続行は難しかったか

 「投げたらどこにボールが行くか分からなかったので、ちょっと無理でした。ロジンバッグは(ぬれないように)ポケットに入っていたけど、触っても意味がないぐらい雨が降って、ピッチコムも水没みたいに何も聞こえなくなった。さすがに投げることができない感じでした。2回まで(プレートを)外せるので、目いっぱい、雨が弱くなるまで時間を取ろうかなと思っていた」

―投球について

 「全球種、効果的に使ってゲームプラン通り投げられた。低めに集まっていたと思います」

―5回は無死二塁のピンチ

 「下位打線だったので、抑えなきゃいけないと思った。

1死三塁という形にならなかったので、1点もあげないつもりで投げました。無死二塁で、ランナーが三塁に行ったら1点はしょうがないと思っていた」

―日本人で10人目の新人10勝を達成

 「あくまで通過点ですけど、素直にうれしいですし、もっとチームの勝利に貢献できるように頑張りたいなと思います。一つの目安ですけど、正直そんなに達成感はなくて…。あんまりいいピッチングじゃない時も、勝ちをつけてもらったりこともある。ここ数試合、すごく自分の中で納得できるパフォーマンスができていることが、一番うれしいです。とにかく継続が大事なんで、何とか最後までこの調子とこのペースで投げ続けられるようにと思っています」

―序盤は球数を使っても丁寧にアウトを重ねて、途中から早めのカウントで打ち取っていったように見えたが

 「それは結果的にそうなった感じ。立ち上がり、よく失点するんで、ある程度ボール先行になって球数がかかった印象です」

―ここ最近、ボールの質が向上している手応えは

 「一番はメカニック的なところ。結果的に打たれる時期が続いて、もうちょっとスピードを上げようとか、変化球を曲げようとか、いらない欲みたいなものが操作していた。ちょっとしたズレが、毎試合投げていくと大きなズレになる。それが修正できたのが一番の要因。(球種が)偏ることはしちゃいけない。右バッターに近めのシンカーを投げて、左バッターにも近めにいいボールを投げる。

両サイドのコントロールを間違えないところが要因と思います」

―ピッチングが点から線になってきたと言っているが

 「前の試合からも、ずっとつながってきている。前回ダメだったら、次、大きく変えるんじゃなくて、前回の試合も、多分シアトル打線は見てると思うので、それもいかした上でまた今日のピッチングができる。それを何試合も続けられているのが、線になっているという感じがして、投げてて気持ちいい。あんまり窮屈になることが少なくなった」

―2つの三振はまさに点から線という攻め方

 「スアレスは前の打席でカットからスライダー行ってキャッチャーフライ。その次の打席もカットからインコースにシンカーをいいところに見せて、その後スライダー、スライダーと行って、外を認識させつつ、意表を突いてインサイド。そこはいい攻めだった。前の打席をいかせたと思います。(ガーバーは)その前の打席、結果的にインハイでレフトフライ。ある程度、真っすぐを待っていると分かった。ノースリーになったけど、スライダーで外の意識を持たせながら、その前の打席も結果的にインハイのボールでレフトフライでした。いい風になってきた」

―配球はどれくらい覚えているか

 「全部覚えてます、はい」

―中田翔(中日)が引退

 「同級生で、僕らの世代のバッターでは、やっぱり翔がナンバーワンで、ずっと僕の憧れの存在でもあった。僕が投げた試合もよく打ってくれましたし、印象にも残る良いバッターだったと思います」

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