◆JERA セ・リーグ 巨人0―3阪神(16日・東京ドーム)

 長嶋さんが監督やったら、歯ぎしりしてそうな、もどかしい試合やったね。打ち勝つのが大好きな方やったから。

ただ、この試合に関しては村上が一枚上と認めざるをえんよね。球威、コントロールともほぼ完璧。直球の質がええから、スピードガン以上の速さを打者は感じていたと思う。空振りを取れる真っすぐよね。敵ながらあっぱれや。

 対する井上は、う~んという内容やったね。ストライクとボールがはっきりとしていて、ボールが先行して、抑えなきゃいけない先頭を3イニングすべてで出して…。阿部監督が早く見切るのも無理はないよ。投球テンポも含めて村上とは対照的やった。

 どうしても勝ちたかった試合を落とした。阪神とまた12ゲーム差。厳しい状況よね。

それでも長嶋監督やったら「ここにいる全員が、絶対にあきらめちゃダメだ。何が起こるか分からないよ。1試合1試合ベストを尽くしてファンを喜ばせよう」ってミーティングで言ったと思うよ。

 改めて振り返ってみると、長嶋さんに言われたことって「絶対にあきらめるな」が一番多かった気がするよ。偉大な先輩が残したスピリット、首脳陣も選手も忘れたらアカンで。(スポーツ報知評論家・村田 真一)

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