48年ぶりの優勝を目指す東洋大姫路は準々決勝を翌日に控えた18日、姫路市の同校グラウンドで調整した。岡田龍生監督は「みんな元気そう。

ここまで来たら甲子園が楽しくて仕方ないんやろうな。僕が代わりに出たいくらい」と、笑みが絶えなかった。

 沖縄尚学とは、6月7日に行われた沖縄県高野連の招待試合で0―1の完封負け。末吉良丞投手(2年)に「手も足も出なかった」と渡辺拓雲主将(3年)。最速150キロ左腕の実力を体感した。

 それでも、指揮官は好投手に臆さない。「どうやっていいピッチャーを打つかは、ある程度、こういうのがいいかなって僕の中にある」。履正社監督時代の19年夏は、霞ケ浦・鈴木寛人(元広島)、津田学園・前佑囲人(現オリックス)、明石商・中森俊介(現ロッテ)、星稜・奥川恭伸(現ヤクルト)と後にプロ入りいた4投手を連破して初優勝した。「奥川君とやった時に痛感した。春の3安打が夏は11安打になったからね」と、経験に基づいた自信がある。

 準々決勝で勝てば、岡田監督は夏の甲子園では19年から自身10連勝となる。「子どもらが頑張って積み重ねてくれたことやからね」と感謝。

渡辺拓は「岡田監督のプレッシャーの部分を少しでも軽減させてあげたい。いつもおっしゃっている野球をやれば勝てる。岡田監督を信じて戦っていきたい」と頼もしかった。

 過去に異なる2校で優勝したのは、原貢(三池工、東海大相模)、木内幸男(取手二、常総学院)、上甲正典(宇和島東、済美)、吉田洸二(清峰、山梨学院)の4監督。「母校を含む異なる2校で選手権V」なら岡田監督が初になる。「あれほどのお客さんの前で野球をできる、これほど楽しいことはない」と、ナインに言葉をかけてきた指揮官。出場3大会連続で敗退中の準々決勝の壁を破り、43年ぶりの4強入りを決める。(藤田 芽生)

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