巨人の田中将大投手(36)が21日のヤクルト戦(神宮)で覚悟の投球でチームを救うことを誓った。神宮での登板は、楽天時代の2008年の5月25日のヤクルト戦以来、6297日ぶりとなる。
真っすぐに前を見つめた。田中将が、力強い言葉を紡いだ。21日のヤクルト戦で1軍再昇格後、3度目の先発に臨む。「やっぱり自分が何とかしたいっていう思いは当然あるし、自分もいい投球をしていかないといけない」。首位・阪神とは今季最大タイの13ゲーム差が開いた。開幕からローテを守ってきた山崎が疲労蓄積で抹消となり、右膝痛のグリフィンも依然、ファームで調整中と先発陣に影が差す。苦しむチームを救う勝利を誓った。
6297日ぶりに、神宮のマウンドに立つ。楽天時代の2008年5月25日のヤクルト戦で先発して以来、プロ2度目。「やることは変わらないので。
高校時代も験のいい球場だ。駒大苫小牧時代の1年秋の明治神宮大会で「5番・捕手」で初めてプレー。2年時には、チームを神宮大会初優勝にも導いた。とはいえ、慢心はみじんもない。「球場も神宮自体で投げるのも、全然覚えてないので。だいぶ投げてないと思うし、どういう感じかもわからないので、自分でアジャストして入れればいいかなと思います」と、久しぶりのマウンドで細心の注意を払う。
燕打線の勢いを封じる。ヤクルト戦は5回2/3、2失点(自責1)だった再昇格後初先発となった7日以来、今季2度目。村上が7月29日に1軍復帰して以降、ここまで18試合で7発を放つなど絶好調だ。セ・リーグ最下位だが、その間は9勝9敗の5割と4番に引っ張られて打線全体の厚みも増している。
この日はG球場で行われた先発練習に参加し、ブルペンで投球を行うなど調整した。「自分のフォームでより良い形で投げられるように、意識しなくても投げられるように染みこませないといけない。それを常にやっています」と背番号11。これまでの取り組みをぶつけ、再昇格後3戦目で日米通算199勝へ―。大記録へ歩みを進める。(水上 智恵)
◆田中将と神宮球場 駒大苫小牧1年時の04年に明治神宮大会に出場。1回戦の新田戦は「5番・捕手」。2回戦の羽黒戦は6回4失点(自責3)で敗れた。05年の同大会では清峰との1回戦で2失点完投勝利。準決勝・早実戦では4回途中から登板し、5回2/3を無失点、13奪三振で逆転勝ちに貢献。