第107回全国高校野球選手権大会は21日、甲子園で準決勝2試合が行われる。ベスト4の各校は20日、兵庫県内でそれぞれ調整した。

“2年生新怪物対決”となる沖縄尚学の最速150キロ左腕・末吉良丞と山梨学院の最速152キロ右腕・菰田陽生(はるき)も、ともに夏は初の決勝進出へ闘志を燃やした。

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 ここで負けられない―。山梨学院の最速152キロ右腕・菰田陽生(はるき、2年)が野心をむき出しにした。同校では初となる夏4強入りを果たし、いよいよ臨む準決勝の舞台。「ここで終わっても山梨学院という名前は全国に残らない。優勝して全国に名前を残したい」と夏の頂点を見据えた。

 相対する沖縄尚学にはエース・末吉や新垣有絃(ゆいと)など自身と同じ2年生の好投手が並ぶ。2人について「コントロールが良く変化球がキレるいいピッチャー」と話すが、意識はしない。「同じ2年生で活躍している選手だと思うが、まずは自分のピッチングをする。やっぱり勝ちにこだわりたい」と何よりも勝利を求める。

 チームはこの日、ノックや、走塁練習、シート打撃など約2時間の練習。走攻守、満遍なく調整した。

菰田はキャッチボールや体幹トレーニングで汗を流した。状態面に不安はなさそうだ。

 山梨大会ではわずか4イニングの登板にとどまった194センチ右腕だが、甲子園ではここまで全3試合に先発し、計15回2/3を投げて防御率1・15の成績を残す。打者としてもチームトップの6打点だ。吉田洸二監督(56)は「甲子園でこんなに投げられると思っていなかった」と驚きを隠さない。甲子園までの期間で調整を重ね、甲子園の舞台で輝きを放つ16歳は「チームに貢献できるようなピッチングで勝ちにつなげたい」と意気込んだ。勝利のみを目指し、静かに闘志を燃やした。(高澤 孝介)

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