広陵(広島)は21日、硬式野球部の中井哲之監督(63)と中井惇一部長(30)が退任すると発表した。新監督には、OBでコーチの松本健吾氏(34)、新部長には別の部の顧問だった滝口貴夫氏(64)が就任する。

 同校を巡っては、1月に起きた部内での暴力事案が今夏の甲子園開幕直前にSNS上で拡散された。日本高野連から厳重注意処分を受けていたこともあり、一度は出場したが、指導者の部員への暴行といった別事案がSNSで浮上。学校側は新たな事実が確認できなかったとしたが、大会運営への支障や在校生への中傷があったことを踏まえ、2回戦を前に出場を辞退した。現在は警察や第三者委員会が調査を進めており、辞退を発表した10日の会見では、結果が出るまで中井監督を指導から外すとしていた。

 学校はこの日、「1、2年生は入念なアンケート調査で現在、把握しているもの以上のことは出なかった」として、23日開幕の秋季広島大会へ出場する意向を示した。その上で「このままの体制で進むのはどうか」と見直しを決断し、中井監督からも「分かりました」と承諾を得たという。

 中井監督は1990年に就任。春夏通算25度の甲子園出場に導き、2度のセンバツ優勝を達成している。同校の浅田哲雄事務局長は、退任後も学校職員として残る中井監督について「(復帰の)可能性は0ではない」としたが、まずは調査に全面協力していく姿勢を示した。

編集部おすすめ