広島県高野連は21日、「広島県代表校辞退を受けて当連盟としての対応について」と題した声明文を発表。広陵が部内での暴力行為を含む不適切事案が発端となり今夏の甲子園を辞退したことを受け、「指導・助言を行う立場である当連盟として、改めて、すべての皆様に、深くお詫び申し上げます。

申し訳ございませんでした」と謝罪した。 また、広陵に対し「被害者及び被害者家族に対して丁寧な対応と説明を行うこと」といった複数の指導内容を提示。全加盟校に対しても、指導者へ研修会を実施するなど、暴力やハラスメント行為の根絶に向け予防・啓発する機会を断続的に設けるとした。

 全文は以下の通り。

 この度、第107回全国高等学校野球選手権大会において、広島県代表校が大会途中で出場辞退に至ったことに対して、加盟校の野球部活動について指導・助言を行う立場である当連盟として、改めて、すべての皆様に、深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。このような事態となったことを受けて、当連盟としての具体的対応を次のように決定いたしましたので、御報告させていただきます。

 1広陵高等学校への指導内容

ア 警察、第三者委員会等に全面的に協力すること。

イ 新たな事実が判明した場合はただちに報告を行うこと。

ウ 被害者及び被害者家族に対して丁寧な対応と説明を行うこと。

エ これまでの問題点を整理し、暴力、ハラスメント行為等を根絶し、学生野球憲章に謳われている「学生野球は教育の一環である」という原点に立ち返り、ゆるぎない信念をもって、硬式野球部の再生に向け、抜本的な変革を学校全体で組織的に取り組んでいくこと。

オ 校長は、原則、毎月月末に当連盟へ報告すること。

当連盟は、経過報告をもとに、必要に応じて指導・助言を行うこととする。

2 全加盟校に対しての対応

ア 暴力、ハラスメント行為の根絶

スポーツ庁では、改正スポーツ基本法において、暴力やハラスメント等の行為は、断じて許されるものではないと根絶に向けた取組を進めています。また、学生野球憲章 第2条 学生野球における基本原理において、「学生野球は、一切の暴力を排除し、いかなる形の差別をも認めない」と明記されています。当連盟としても、改めて、高校野球において暴力やハラスメント等の行為は許されないといことを徹底し、根絶に向け予防・啓発する機会を継続的に設けます。

イ 不祥事件発生時の対応について周知・徹底

各加盟校においては、これまでも部員の不祥事件が発生した場合は、部員およびチームへの指導、報告書の作成等を丁寧に行っていただいていますが、今回の件を受けて、加害者、被害者の双方に対して、一層丁寧な対応を求めて参ります。

ウ 研修会の実施

先行して、責任教師への研修会を令和7年9月16日(火)の秋季広島県高等学校野球大会抽選会終了後、対面とオンラインを併用し実施します。さらに、外部講師をお招きして責任教師及び監督を対象とした研修会を開催(日時は調整中)します。また、今後はこれまでの研修会に加え、毎年2月に監督を対象に研修会、毎年4月に責任教師を対象に、業務内容のことも含めて研修会を実施します。

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