「44」を代表するのは山本功児と緒方耕一の2人だろう。

 法大から本田技研鈴鹿を経て75年のドラフト5位で入団した山本。

打撃を買われ1年目の76年から1軍に定着した。一塁には王貞治がいるため、代打の切り札として長嶋茂雄政権の初Vに貢献した。79年は117試合に出場。守備もうまく、王の後の守りに就いたり、外野では51試合のスタメンも。同年には6試合、第43代の4番打者の座についた(80年にも1試合)。

 86年ドラフト6位で熊本工から入団した緒方は俊足が自慢。90年、腰痛の篠塚利夫(和典)に代わって二塁に入り規定打席に到達。33盗塁で初のタイトルを獲得した。93年には24盗塁で2度目の盗塁王となる。

 最長の12年間「44」をつけた緒方のハイライトは94年の西武との日本シリーズ第5戦。1―1の6回2死満塁で左翼へのグランドスラムを放ち、長嶋監督を歓喜させた。勢いに乗り、第6戦も快勝。

西武を倒し、5年ぶりの日本一を奪回する満塁アーチだった。

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