◆米大リーグ ロッキーズ8―3ドジャース(20日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が20日(日本時間21日)、敵地・ロッキーズ戦に「1番・投手兼DH」で出場し、メジャー自己ワーストタイ9安打を浴びるなど、4回5失点で今季初黒星を喫した。右脚に打球が直撃するアクシデントに見舞われ、出場は続行するも8回に代打が送られて途中交代。

打者としては2打数1安打で8月全18試合で出塁を記録したが、節目のメジャー通算1000出場となった一戦で、ド軍初勝利とはならなかった。

 いつも前向きな言葉を発する大谷が、ひたすら自分を責めた。打球が直撃した右太ももの治療を終え、試合終了から37分後、Tシャツ&ハーフパンツ姿で登場。ふがいない内容に自身への怒りもにじませた。

 「チームに申し訳ないですし、ただただ自分の投球に不満があるというか、情けないなという投球内容だったかなと思う」

 節目のメジャー通算1000試合目に二刀流出場したが、同地区最下位の格下を相手に、自己ワーストタイ被安打9で予定の5回にたどり着けなかった。最終4回はエンゼルス時代の同僚モニアクらに屈辱の5連打を浴び、計5失点。23年7月14日のアストロズ戦以来768日ぶりの黒星を喫した。

 不運なアクシデントにも襲われた。3点ビハインドの4回1死二、三塁。アルシアの速度97・1マイル(156・3キロ)のライナーが右太ももを直撃。打球を拾うのが精いっぱいで、あまりの痛みに苦悶の表情を浮かべた。試合後、患部は痛々しく赤く腫れていたが幸い、「打撲」で骨に異常はなかった。

 「膝ではなかったので、最悪のシチュエーションではなかったかな。今の段階では、大丈夫かなとは思っています」

 「打者天国」で“地獄”を味わった。クアーズフィールドは標高約1600メートルに位置し、高地で気圧が低いため、他球場より約10%ほど飛距離が伸びて打者有利とされる。山岳地帯で乾燥も激しく、滑るボールに苦戦。「なかなか真っすぐにいい感覚が出ていない中、ウィル(捕手のスミス)がスライダー系の方がいいのでは、と(考えて)要求が多かったと思う」。計66球のうち、スライダー系35球と曲がり球中心にかわす苦し紛れの投球となった。

 大敗を喫したチームは、22日(同23日)から今季最後の直接対決を控える宿敵パドレスに1差に迫られた。今季最長13連戦中で、大谷は翌21日(同22日)のロッキーズ4戦目は「父親リスト」での一時チーム離脱を除けば今季初の休養日となる。

 「監督とも話しながら、このタイミングがいいのではと今回はこのタイミングになった。きちんとケアをして、通常の状態に早く戻れるように」

 雪辱の思いを胸に秘めながら、大谷は次戦以降を見据えた。

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